2021年10月7日。
夜も遅くなってきた22時41分頃、東京及び関東圏の広いエリアで最大震度5強の揺れが発生した。
これは千葉県北西部震源、最大震度5強、マグニチュード6.1、深さ80kmの地震によるものだ。
いわゆる「沖」の地震ではなく直下型の地震と言える。
気象庁が提供する震度データベース検索によれば、東京都で震度5強以上の地震が発生したのは、2015年5月30日の20時23分頃に発生した小笠原諸島西方沖を震源とするマグニチュード8.1深さ682kmのいわゆる異常震域での地震以来となる。

東京都内~震源範囲の被害は?
現在のところ、東京都内に関して停電に関する情報やいわゆる公共交通機関の遅れ・運転自動停止などの情報が当編集部で寄せられている。
その他神奈川県及び千葉県・埼玉県・茨城県など広い範囲で大きな揺れが発生していることから、人的・物的を問わず被害が発生している可能性は多分にあると思って防災意識を高めて行動していただきたい。
その他、空港の滑走路の閉鎖などの情報も入っていることから、インフラが一部ストップしているものと考えられる。
なお報道の情報によれば、東京都庁のエレベーターがすべて稼動を停止しているとの情報も入っている。
しかし現段階において当編集部で入っている上記のような情報を総合すると、これらはすべてもともと地震や災害が発生したときに動くように設定されている防災機構が正常に稼働しているものと考えられる。
ただし、7日23時30分過ぎから会見を行った松野官房長官によれば、現在東京都内において119番、110番通報が多数寄せられており、人的被害が発生している可能性も十分に考えられるとの発言があったため、十分に注意を行いたいところである。
※23時58分追記:防衛省の提供を受け報道各局が中継する空撮情報によれば、埼玉県内で火災が発生しているとの情報が報道されている。
【7日23時50分現在】報道各局の対応まとめ
ここでは7日23時50分現在における、報道各局の対応についてまとめていく。
なお東京23区でこれほど大きな地震が発生したということもあり、民放各局は基本的に地震情報を放送している。
NHKについては通例から言えば、この後8日0時50分から予定されている気象庁会見以降も終夜地震情報を放送するものと考えられる。
よってご不安な方は、NHK総合テレビの情報を確認いただくのが今までの事例からいって最も確実な方法といえるだろう。
※通例、震度6弱以上の地震が発生した場合及び、東海地震の警戒宣言が発表されたり、津波警報が発表された場合などを中心にNHKでは全ての放送電波で同じ防災情報を放送する「全波全中」を行う。
ただし今回は震度5強のためルールに照らせば全中放送にならない可能性が高い。
NHK
NHK総合で地震情報を放送中
日テレ、フジ、TBS、テレ朝、テレ東
各社速報として緊急番組を放送中
なお、テレ東やテレ朝、TBSではスタジオでヘルメットをかぶり報道しており、都内の中継をしているリポーターもヘルメットをかぶり中継する姿が目立つ。
【7日23時50分現在】各公共交通機関・インフラの対応
各公共交通機関の対応についてまとめた。
東京メトロ
https://www.tokyometro.jp/index.html
通常運転を再開しているが、日比谷線東西線で繰り返し運転
※ 日比谷線
【折返し運転】
22時41分頃、地震のため折返し運転を行っています。
全線での運転再開は、点検終了後を見込んでいます。
折返し運転区間
人形町〜中目黒駅間
※東西線
【折返し運転】
22時41分頃、地震のため折返し運転を行っています。
全線での運転再開は、点検終了後を見込んでいます。
折返し運転区間
中野〜葛西駅間
※それ以外の路線
【ダイヤ乱れ】
一部地震のためダイヤが乱れています。
舎人ライナー
足立区内を走行していた舎人ライナーが地震で緊急停止した際に脱輪し、女性が頭から出血するなど3人がけが。
JR東日本
https://www.jreast.co.jp/
首都圏を中心に広い範囲で列車の運転見合わせが発生しています。午前0時30分時点で山手線および中央線快速で運転を再開していますが、それ以外は見合わせ中です。
そのため品川駅ではタクシー乗り場に行列ができています。
また、設備点検範囲が広範囲にわたることから、最終的な安全確認は10月8日(金)午前中までかかる可能性があり、運転再開まで相当な時間がかかる見込みと発表されています。
東京ガス
https://www.tokyo-gas.co.jp/
>現在、被害状況を確認しております。
ガス臭い場合、停電した場合等の対応は緊急のときページをご確認ください。
羽田空港
滑走路4本を閉鎖したが23時頃異常がないことから利用を再開
大きな地震が発生した際のよくある質問
ここでは最近、連日大きな地震が発生していることを鑑み、当編集部に寄せられる地震の際のよくある質問を改めて掲載することにさせていただく。
Q:電車や飛行機がストップしているのはなぜですか?
原則として地震があった時には、公共交通機関は安全のため、自動停止するように設計されている。
よって今回のケースでも公共交通機関があくまでも地震発生時の正常な対応としてストップしていると考えられる。
特に東京メトロについては7日23時30分現在運転が一部見合わせとなっていたが運転を徐々に復旧させているとの情報もあることから、徐々に解消されると見てよいだろう。
Q:後続地震が来ることは考えられますか?
残念ながらこればかりは誰にも判断がつかない。
一般的には大きな地震の前には前兆となる地震が起こるケースが多く、またこの規模の地震が発生した場合は以後一週間程度、同程度の地震が起こる可能性があるというのが通説である。
Q:6日に発生した青森と九州の地震と関連はありますか?
厳密に言えば、今回発生した地震は6日発生の青森及び九州の地震とはプレートが異なることから無関係・関連なしと結論づけることはできる。
ただし多くの方が経験上ご存知の通り、とある地方で大きな地震が発生した時誘発という形で他の地方で大きく揺れを起こすケースが散見されることから、全く無関係と断じることができないのが現状である。

Q:電話が繋がりづらくなることはありますか?
8日0時2分現在、通信インフラを提供する各社から電話が繋がりづらくなっているといった情報や、ネットワークの接続が不安定という情報は寄せられておらず、公式なリリースもなされていない。
ただし一般的に電話で安否確認を行うといったケースは地震の際によくあることで、結果的に電話回線が輻輳(ふくそう)してパンクすることは十分に考えられる。
ただしこれも電話回線のダメージを未然に防ぐため、通信会社が規制を行なっていることが理由である。詳しくはこちらの記事を参照されたい。

地震が起きた時の対応で重要なことは?
不確実な情報に振り回されることなく、正しく防災意識を持って生活する。これに限る。
とはいえ、ここまで連日大きな地震が続いているとなれば、後続の事を考える方も多いだろう。
今のところ、日付指定型の地震予測及び予言の類はまず当たらないと言ってよい。
一つ言えることは地震情報を確認し、またいつ何時揺れが起こっても即座に対応できるように避難経路の確認や家族との連絡手段を決めておくことが重要だ。
【追記】ガスが止まってしまっている場合の対処法
一般的にガスは震度5以上の揺れが発生した時に安全のため、自動停止することがある。
具体的にはマイコンメーターに安全装置がついており、大きな揺れを検知した時に自動停止する。
例えばマイコンメーターの表示ランプが赤く点滅している場合は地震による自動停止と考えられるだろう。
ガス漏れの疑いがない場合は、マイコンメーターを操作して復帰ボタンを押すなどガスの復帰を行う必要があるので操作しよう。
多くの場合自分で復帰させない限り、いつまでもガスが使えないままとなってしまうので注意されたい。
