
大きな地震が起こった時、あるいは大きな災害が周りで起こった時、お近くのエリア・もしくは遠方からお近くのエリアへ向けた電話が繋がらない事があります。
これまでのご経験で、電話が繋がらなかった、という記憶をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実はこれ様々な複合的理由で起こるものなので、言ってしまえば避けられないことでもあります。
ここでは、震災時や災害時に電話が繋がらなくなる理由をご紹介します。
合わせて、対処法もご紹介です。
大地震の時に電話が繋がらなくなるのはなぜ?

答えは、いくつかあります。
理由1:通信規制

まず一つ目の理由です。
シンプルに、安否確認の電話が飛び交っており単純に回線がパンクしているから。
これは、容易に想像がつきますね。
大きな地震の後はとにかく周りの友達や家族、恋人など、その他職場なども含めて安否確認の電話が飛び交います。
ご高齢の方は特に通信インフラといえば電話ですから、電話の発信・通話・着信数が増えるのも納得です。
このため、輻輳(※ふくそう:ここでの輻輳は、電話回線が完全にパンクし、救急などの必要な通信が行えなくなるような状況を指す語として使用します)という状況が起こることを防ぐため、電話会社各社では通信規制を行うことがあります。
というより、筆者の長年の取材経験から言えば、震度6弱以上の地震があった際にはほぼ確実に通信規制が入ります。

この場合は単純に通信がパンクしないように各キャリアおよび通信事業者が規制を入れているだけですので、繋がる時は繋がります。そして多くの場合は数時間以内に復旧します。
ちなみにこの際、電話は繋がらないがネットがギリギリつながるというケースもあります。このような場合には、安否確認をLINEやメールで行うと良いでしょう。Twitterなどで情報公開しておくというのも非常時には良いかもしれません。
なお、文章でやり取りをする際には、いつもであれば即時メールやテキストが届きますが、このような場合には通信にタイムラグが出るのが定石です。

そのため、出来る限り何時何分にそのメッセージを送信したか、記載をしておくとよいでしょう。これにより、この時間までは確実に連絡が取れたなど、受け手が判断する基準となります。
なお、どうしても携帯以外に繋がりやすい回線が必要な場合は、
- 固定電話(アナログ回線のもの)
- 公共施設や病院の電話
- 公衆電話
などが優先的に繋がりやすくなっているケースもありますので、状況に応じて使い分けましょう。
理由2:通信インフラのダメージ

二つ目の理由です。
単純に、通信ケーブル、電話の中継ケーブル・電波塔などがダメージを受けた場合です。
こちらは復旧までにかなりの時間がかかることを覚悟せねばなりません。
この場合は通信全てがカットされますので、通話・ウェブ両方が使えないケースがほとんどです。
理由は単純明快、電波をつなぐ施設がダメージを受けているからです。
理由3:停電による基地局停止

そしてもうひとつ、最近は電話が使えなくなる理由が出てきました。
長時間にわたるブラックアウト現象による、基地局の停止です。
2018年の9月、胆振東部地震という大きな地震を北海道が襲いました。
この際、筆者も取材という形で現地入りをしましたが、当時の北海道内はブラックアウト現象によって基地局が停止しており、一部地域では地震の発生から72時間近くが経過するまで携帯の電波が使えないという状況になったことがありました。
これは、基地局に通常備えられているはずの非常用電源が持たず、バッテリーが切れてしまったという状況です。
こちらも復旧まではかなりの期間がかかりますので、覚悟が必要です。
日頃から連絡方法は打ち合わせを!

このように、大きな災害が発生した後には連絡が取りづらくなるケースもあります。しかし、連絡がつかず安否不明な方がいらっしゃるのは非常に辛いこと。
一分一秒でも早く安否を確認したいところです。
そういった状況に備えて日頃から連絡方法は綿密に打ち合わせをしておくというのも一つの防災対策と言えるでしょう。
可能であれば、WEB171もしくは災害伝言ダイヤル171番を使うというのも選択肢のひとつですね。

