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災害時のトイレ問題は、命に関わるリスクになりうるという事実を、まず知っておいてほしいです。
排泄を我慢することが、水分や食品摂取を控えることにつながり、被災者においては栄養状態の悪化や脱水症状、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)等の健康障害を引き起こすおそれが生じる。
引用元: 避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン(平成28年4月)(内閣府 防災担当)
この記事では、今すぐ家で試せる簡易トイレの作り方と、知っておくと安心できる基礎知識をまとめました。
断水時に水洗トイレを「普通に流す」と何が起きる?
まず大前提として知っておいてほしいのが、「断水しているだけ」と「排水管も壊れている」は、全く別の状況だということです。
【要注意】排水管が壊れている時に流すと逆流・汚水があふれる
地震などの災害時に排水管が壊れている状態でトイレに水を流すと、汚水があふれたり逆流したりする危険があります。
特にマンションなどの集合住宅では、上階の汚水が1階のトイレからあふれてしまうケースもあります。
地震などの災害時に排水管が壊れている場合、水洗トイレを使うと、汚水があふれたり、逆流したりする危険性があります。トイレに水を流さないでください。
引用元: 断水時・給水制限時にトイレを流す方法(LIXIL 公式FAQ)
トイレを我慢し続けると「エコノミークラス症候群」になる可能性も
東日本大震災や熊本地震の被災地で繰り返し報告されてきたのが、女性を中心にトイレを我慢した結果、水分を控えてエコノミークラス症候群を発症するという深刻な問題です。
これは女性だけの問題ではありません。
高齢者、子ども、持病のある方も、水分や食事を控えることで体調が急激に悪化するリスクがあります。
仮設トイレは「すぐには来ない」という現実
「避難所に行けばトイレがある」と思っている方も多いですが、過去の被災地データを見るとそう楽観できません。
仮設トイレが来るまで何日も待つことは、体が物理的に受け付けません。
だからこそ、「自宅で自分でなんとかできる手段」を持っておくことが非常に重要なんです。
SNSでも防災トイレの話題は震災の時期になると特に広がっています。周りの人にも教えてあげたい情報ですね。
この動画では災害時のトイレ問題と実際の備え方をわかりやすく解説しています。
今すぐ家でできる!簡易トイレの作り方3パターン
難しい材料は一切不要です。
基本的な考え方はシンプルで、「袋に排泄して、水分を吸わせて、密封してごみに出す」だけです。
それさえ理解していれば、家にあるもので十分に対応できます。
【パターン1】既存の洋式トイレを使う方法(最も簡単)
自宅のトイレ便器が壊れていない場合は、それをそのまま活用できます。
手順はこちらです。
便座を上げて、1枚目のポリ袋を便器の中にかぶせます。
便座を下ろして、その上から2枚目のポリ袋を便座に巻くようにセットします。
袋の中に、クシャっと丸めた新聞紙を数枚入れておきます(水分を吸わせるためです)。
使用後は内側の袋だけ取り出して、空気をできるだけ抜いてからしっかり結んでごみとして処分します。
【パターン2】段ボール+ゴミ袋で便器なしでも作れる
避難場所や自宅のトイレが壊れている場合でも、段ボールがあれば便器の代わりになります。
1箱目の段ボールを組み立て、中心部分に穴を開けます(座った時に用が足せる大きさ)。
段ボールのフタをすべて内側に折り込み、ガムテープで補強すると丈夫になって壊れにくくなります。
内側にゴミ袋を二重でかぶせ、新聞紙を入れたら完成です。
2箱目を台として重ねると高さを調整でき、高齢者の方や膝の悪い方にも使いやすくなります。
この動画では0円でできる段ボール+新聞紙の防災トイレの作り方を徹底解説しています。
【パターン3】既製品の携帯トイレとの比較・どちらを選ぶ?
ホームセンターや通販で手軽に手に入る「市販の携帯トイレ」は、高分子吸収樹脂(凝固剤)で排泄物をしっかり固めてくれるので、自作よりも衛生的・消臭効果が高いという強みがあります。
理想は「市販品を備蓄しておきながら、自作の方法も頭に入れておく」ことです。
市販品が尽きた時・急に必要になった時のために、今日ここで読んだ作り方を覚えておきましょう。
一人が1日にトイレを使う平均回数は5回です。
「5回×人数×7日分」を目安に備蓄しておくと、1週間は安心できますね。
使い終わったらどうする?衛生管理と保管・捨て方のポイント
簡易トイレを作っても、使った後の処理を適切に行わないと感染症の原因になってしまいます。
せっかく自作できても、ここを知らないと逆効果になりかねないので、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。
においと感染を防ぐ「袋の閉じ方・捨て方」
使用後の袋は、空気をできるだけ抜いてからしっかり結ぶのが鉄則です。
そのまま可燃ごみとして出すことが可能ですが、できれば以下の手順を踏むと安心です。
「驚異の防臭袋BOS(ボス)」などの防臭性の高い袋を一緒に備蓄しておくと、においがほとんどしなくなるのでおすすめですよ。
簡易トイレを使う場所の作り方(目隠し・換気)
トイレはデリケートな問題です。
特に避難生活では、プライバシーが保てないとトイレを我慢する人が増えてしまいます。
自宅で使う場合は普段のトイレ室を活用できますが、避難所や屋外での使用時には目隠しを作ることが重要です。
子ども・高齢者・女性が安心して使うためのひと工夫
高齢者や足腰の弱い方には、座れる高さと安定感の確保が最優先です。
段ボールトイレは箱を重ねて高さ調整ができるので、使う人の体格に合わせてカスタマイズしましょう。
子どもには「怖くない・恥ずかしくない」環境作りが大切です。
普段から「こんな時はこうするんだよ」と防災トイレの使い方を一緒に練習しておくと、いざという時に慌てず使えます。
女性については、生理用品の備蓄も忘れずに。
断水が1か月以上続くケースもあるため、衛生用品の備蓄は多めに見ておくと安心ですね。
この動画では防災士が実際に簡易トイレを作って使ってみる様子を実証しています。
まとめ
災害時のトイレ問題は、命に直結する緊急課題です。
食料や水と同じように、トイレの備えも今日から始めてほしいです。


食料や水の備えを考えている方は多いですが、実は「トイレ」への備えが後回しになりがちです。
断水でトイレが使えない→我慢するために水分を控える→動かなくなる→エコノミークラス症候群や脱水症状のリスクが高まる、という流れが実際に過去の被災地で繰り返されてきました。