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川口市長選をめぐる買収事件で、ビルメンテナンス会社の社長が逮捕されたというニュースが3月9日に発表されました。
埼玉県川口市長選(2月1日投開票)で支援する候補への投票の見返りに、自分の会社の従業員に現金を渡したとして、埼玉県警は9日、ビルメンテナンス会社「クリーン工房」(本社・さいたま市中央区)の代表取締役、川鍋大二(ひろし)容疑者(78)を公職選挙法違反(買収)の疑い逮捕し発表した。
引用元: 川口市長選で買収容疑 ビルメンテ会社の経営者逮捕 一部否認(朝日新聞)
詳しい情報は以下をご覧ください。
川口市長選の買収事件とは?逮捕された人物・日時・金額を整理
逮捕されたのはクリーン工房・川鍋大二容疑者(78)
逮捕されたのは、ビルメンテナンス会社「クリーン工房」(本社・さいたま市中央区)の代表取締役・川鍋大二容疑者(78歳)です。
自身は東京都港区台場に居住しており、同社は埼玉県を中心に事業を展開するビル清掃・管理の会社です。
この件でニュースを検索した多くの方が「会社社長がなぜ逮捕?」と驚いたようで、SNSでも話題になっています。
犯行の状況は?選挙3日前・会議室・パート17人・現金3万4000円
埼玉県警の発表によると、川鍋容疑者は川口市長選の投票日(2月1日)の3日前にあたる1月28日午前9時25分ごろ、クリーン工房川口支店の会議室でパート従業員17人を集め、現金を渡した疑いがあります。
川鍋容疑者は川口市長選で特定の候補者を当選させようとして、1月28日午前9時25分ごろ、経営する同社の川口支店の会議室でパート従業員17人に、投票の報酬として現金合計3万4千円を渡した疑いがある。
引用元: 川口市長選で買収容疑 ビルメンテ会社の経営者逮捕 一部否認(Yahoo!ニュース・朝日新聞)
1人あたり2000円、17人分で合計3万4000円という金額です。
「たったそれだけ?」と思う方も多いはずです。
ただし、金額の多寡は法律の判断には直接関係しません。「投票の見返りとして現金を渡した」という行為そのものが公職選挙法違反にあたるかどうかが問われます。
この動画では選挙における金品授受がなぜ犯罪になるのかを解説しています。
容疑者は一部否認、県警はさらなる違反の疑いも視野に
川鍋容疑者は取り調べに対し、「現金2000円を差し上げたが、会社の規定に定められたものだった」と現金を渡したこと自体は認めながらも、犯意(選挙買収の意図)を否認しているとのことです。
さらに時事通信の報道によると、県警は今回の買収が過去にも繰り返されていた疑いがあるとみて捜査を続けており、関係先の家宅捜索も実施済みです。
(時事通信より)
知らなかったでは済まされない内容なので、今後の捜査の行方は要注目です。
そもそも選挙買収とは何か?公職選挙法をわかりやすく解説
「投票の見返りに利益を渡す」行為がなぜ犯罪になるのか
選挙は、有権者が自分の意思で自由に投票先を選ぶことで成り立つ民主主義の根幹です。
そこに「お金を渡すから、この候補に投票してください」という取引が入ると、有権者の自由な意思が金銭によって歪められることになります。
つまり「まだ実際に渡していない」「少額だから大丈夫」は通用しません。
投票行動への見返りとして利益を提供する意図があれば、それだけで犯罪が成立します。
この動画では選挙違反の摘発実例と処罰についてわかりやすくまとめています。
買収された側・受け取った従業員17人も処罰対象になる?
実はこれ、多くの人が見落としがちな重要なポイントです。
公職選挙法では、買収する側だけでなく受け取った側も処罰対象になります。
今回の場合、現金を受け取ったパート従業員17人についても、法的には被買収罪の対象になり得ます。
SNSでも「受け取った人はどうなるの?」という疑問が多く見られますが、知らなかったでは済まされない重大な問題です。
法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
公職選挙法第221条に基づく買収罪の法定刑は以下のとおりです。
公選法違反(買収)罪 特定の候補者を当選または落選させる目的で、有権者や選挙運動員に金銭を渡すなどする罪。法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金だが、候補者本人や選挙運動の「総括主宰者」などは刑が加重され、4年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される。
引用元: 「公選法違反(買収)罪」とは(時事通信)
さらに有罪が確定した場合、罰金刑なら5年間、懲役刑なら10年間の公民権停止(選挙権・被選挙権の喪失)も科されます。
「2000円の受け渡し」という行為が、当事者にとっていかに大きなリスクを伴うものかがわかります。
当選した岡村市長への影響は?連座制・当選無効の可能性
連座制とはどういう制度か、一言で言うと?
連座制とは、候補者本人が関与していなくても、関係者が買収罪などで有罪になれば当選が無効になる可能性がある制度です。
これらの立場にある人物が買収罪などで禁錮刑以上の刑が確定した場合、検察側が30日以内に当選無効を求める訴えを起こすことができます。
(総務省・選挙違反と罰則より)
川鍋容疑者が「組織的選挙運動管理者等」に当たるかが焦点
今回の事件で当選無効・連座制が適用されるかどうかは、川鍋容疑者が対象候補の「組織的選挙運動管理者等」に当たるかどうかが最大の焦点になります。
現時点での報道では、川鍋容疑者が「特定の候補者を当選させようとして」現金を配ったとされているものの、その候補者が誰であるか、また候補者との具体的な関係性は明らかになっていません。
この動画では選挙違反の現場と「なぜバイト代を払うと逮捕されるのか」をわかりやすく解説しています。
仮に連座制が成立した場合、川口市政はどうなるのか
仮に連座制が成立した場合、岡村市長の当選は無効となり、同じ選挙区から5年間立候補できなくなります。
その場合は市長選のやり直し(再選挙)が実施されることになります。
川口市は今回の選挙で「外国人政策」が最大の争点となり、投票率が前回の約2倍近い40.98%に達するなど全国的な注目を集めた選挙でした。
その直後に発覚した買収事件だけに、市民の関心と不信感は高く、今後の市政運営にも影響が出る可能性があります。
まとめ
川口市長選の買収事件は、「2000円という少額でも投票の見返りとして現金を渡せば公職選挙法違反になる」ということを改めて示した事件です。


この記事では事件の全容を整理したうえで、公職選挙法が「2000円でも犯罪」と判断する理由と、今後の川口市政への影響をわかりやすく解説します。