昭和・平成世代向けのWebメディア、LifeGoodTrend編集部です。
東京都が都営住宅事業の特別会計で21年間にわたり消費税を申告・納付していなかったことが2025年9月に発覚しました。
東京都は22日、特別会計の都営住宅等事業会計で未納だった2019~22年度分の消費税や延滞税など計約1億3642万円を納付したと発表した。一般会計から特別会計に変更された2002年度以降、納めていなかった。
引用元: 東京都まさかの消費税未納が発覚 都営住宅事業で20年以上(東京新聞)
詳しい情報は以下をご覧ください。
東京都の消費税未納問題とは?1億3642万円の全容を解説
都営住宅等事業会計って何?
都営住宅等事業会計とは、東京都が都営住宅の管理運営を行うために設置した特別会計のことです。
都営住宅の家賃収入自体は非課税ですが、太陽光発電の売電収入やコインパーキング事業者への貸付料など、課税対象となる収入が一定規模を超えていました。
にもかかわらず、都の住宅政策本部は「一般会計と同じく申告・納税の義務がない」と勘違いしていたと説明しています。
未納額の内訳は?消費税・延滞税・加算税の詳細
2025年9月22日に都が納付した金額の内訳は以下の通りです。
ただし、これは2019年度から2022年度の4年分のみの金額です。
2002年度から2018年度の17年間分については「法律上の時効が成立している」として、都は納付していません。
都の住宅政策本部は「詳細な記録がなく、納税漏れの総額はわからない」としており、17年分の未納額がいくらだったのかは不明のままです。
一般会計から特別会計への変更時に何が起きたのか
この問題の根本原因は、2002年度に都営住宅等事業会計が一般会計から特別会計に変更されたタイミングにあります。
都はインボイス制度への対応に伴って23年度分から消費税の納付を始めていたが、25年5月に東京国税局から22年度以前の事業分について照会を受けたところ納付漏れが発覚した。02〜18年度分は時効のため納付しない。
引用元: 東京都、都営住宅の特別会計で消費税納付漏れ20年超(日本経済新聞)
一般会計であれば消費税の申告義務は発生しませんが、特別会計になった瞬間に義務が生じます。
この切り替え時に適切な引き継ぎや確認が行われなかったことで、20年以上にわたって「納税不要」という誤った認識が組織内で引き継がれ続けました。
消費税を徴収する側の行政機関がその仕組みを理解していなかったという事実は、多くの納税者にとって衝撃的だったのではないでしょうか。
この動画では東京都の消費税未納問題の真相を解説。
なぜ税理士の指摘を1年間放置した?都庁の対応を時系列で解説
2024年に税理士法人が指摘した内容とは
2023年度のインボイス制度導入に伴い、都は初めて都営住宅等事業会計の消費税申告を行いました。
その業務を委託された税理士法人は、2024年度に「22年度以前の納税義務についても確認が必要である」と都に対して指摘していたことが、2025年10月2日の都議会定例会で明らかになりました。
都議会本会議で2日、山崎弘人住宅政策本部長が都民ファーストの会の山田麻美議員と、無所属の佐藤沙織里議員の質問に明らかにした。
引用元: 「消費税未納では?」東京都、2024年度に指摘されたのに…国税局から照会が来るまで対応しなかったズサンさ(東京新聞)
つまり、専門家が「これはおかしい」と声を上げていたにもかかわらず、都は組織として動かなかったのです。
担当課長が放置した経緯と「間違いはないはず」の判断
長年にわたって「問題ない」とされてきた前例踏襲の慣行が、専門家の指摘すら無視させてしまったと考えられます。
行政組織特有の「従来通りで間違いはないはず」という思い込みが、問題の発覚をさらに遅らせる結果となりました。
2025年5月の国税局照会で発覚するまでの空白の1年
税理士法人の指摘から東京国税局の照会までの約1年間、都は事実上この問題を放置していました。
この問題が自主的にではなく、国税局からの外部指摘で初めて動いたという事実は、都の内部統制の甘さを浮き彫りにしています。
こうした行政の対応に不信感を持つ方も多いのではないでしょうか。
この動画ではさとうさおり都議が東京都の消費税未納問題を徹底解説。
職員5人を処分!都民やSNSの反応は?
停職5日と戒告4人の処分内容まとめ
2025年2月10日、東京都は小池知事の指示による監察の調査結果と関係職員の懲戒処分を発表しました。
税理士法人からの指摘に適切な対応をしなかったとして、2024年度の担当課長を停職5日、2025年度の住宅政策本部長ら4人を戒告とした。
引用元: 東京都による長年の「消費税未納」で職員5人を処分(東京新聞)
1億円を超える未納を放置していたことに対して「停職5日」という処分が妥当なのか、疑問を持つ方は少なくないはずです。
延滞税92万円を担当課長が自主弁償した背景
監察の調査報告書によると、税理士法人の指摘を放置した担当課長は、対応の遅れによって生じた延滞税の増加分である約92万円を自主的に弁償しました。
自主弁償という形での責任の取り方が、問題の深刻さに見合っているかどうかは議論が分かれるところでしょう。
「民間なら即アウト」都民とSNSの怒りの声
この問題が報じられると、SNS上では「東京都の特別会計」がトレンド入りするなど、大きな反響を呼びました。
民間企業が21年間納税を怠れば、経営陣は責任を問われ、会社は存続の危機に陥ります。
しかし行政には「潰れない」という安心感があり、ミスをしても損失の穴埋めは都民の税金で行われます。
公認会計士でもあるさとうさおり都議は自身のSNSで「民間企業や個人だったら普通に脱税で刑事罰の対象になっている」と指摘しており、行政と民間の対応の差に対する批判は今後も続きそうです。
この問題を知ったら、ご自身の税務処理も改めて確認しておきたくなりますよね。
この動画では税理士が東京都の消費税未納問題をもとに消費税の仕組みを解説。
まとめ
東京都が都営住宅等事業会計で21年間にわたり消費税を未納していた問題は、行政の内部統制の甘さと前例踏襲の危うさを浮き彫りにしました。


さらに驚くべきことに、2024年の時点で税理士法人から「過去の納税義務について確認が必要」と指摘されていたにもかかわらず、都は組織として1年間対応しなかったことも判明しました。