昭和・平成世代向けのWebメディア、LifeGoodTrend編集部です。
500円のシールが推定50億円規模のビジネスに成長しているという事実をご存知でしょうか。
中でも、大阪市に本社を構えるファンシー文具メーカー「クーリア」が企画・製造する「ボンボンドロップシール」が大人気で品薄となっている。ぷっくりと立体的な、レジンで加工したようなつやつやのシールだ。
引用元: 高額転売や模倣品も…ボンボンドロップシール人気はなぜここまで過熱したのか(東洋経済オンライン)
この記事では、ボンボンドロップシールの成功をビジネス視点で分析し、経営者やマーケターが学ぶべきポイントを解説します。
ボンボンドロップシール「50億円ビジネス」の全貌
クーリア社=ファンシー文具メーカー
ボンボンドロップシールを企画・製造しているのは、大阪府大阪市に本社を構える株式会社クーリアです。
「ファンシー文具」と呼ばれるKAWAII文具や雑貨、推し活アイテムなどを幅広く手がけているメーカーで、社内には専門の「シールチーム」が存在します。
「弊社にはシールチームがあり、6名のデザイナーと2名のプランナーが中心となって、低年齢層向けのシールを作っています。『BONBON DROP(ボンボンドロップ)』は、月に一度の開発ミーティングで小さなアイディアがきっかけとなり生まれました」
引用元: シール交換が再びブームに!?火付け役の「BONBON DROP」とは何か?(@DIME)
2024年3月の発売開始から1年半余りで、シール業界では異例の大ヒット商品に成長しました。
1000万枚×500円=推定50億円の市場規模
ボンボンドロップシールの価格は1シート約500円(キャラクターものは550円)です。
累計出荷枚数は1000万枚を突破しており、単純計算で50億円規模の市場が生まれていることになります。
「たかがシール」と思われがちですが、この数字はビジネスとして無視できないインパクトです。
この動画ではボンボンドロップシールの爆発的ヒットと生産300倍の実態を解説しています。
サンスター文具との提携でIPビジネスに昇華した理由
ボンボンドロップシールの人気を決定的にしたのが、2024年12月のサンスター文具との提携です。
この提携により、サンリオやディズニー、スヌーピーなど人気キャラクターとのコラボ商品が実現しました。
オリジナルデザインだけでは届かなかった顧客層に、IPの力でリーチできるようになったわけです。
中小企業がIPホルダーと組むことで、市場を一気に拡大させた好例といえます。
「想定外ヒット」にどう対応したか
生産300倍でも追いつかない需要にどう対処したか
クーリア社は想定外のヒットに対応するため、工場数を増やして生産量を300倍に引き上げました。
しかし、それでも需要に追いつかない状況が続いています。
10月末時点で出荷枚数は900万枚を突破し、人気の高まりを受けて工場数を増やしているものの、出荷が追いつかず、売り切れの状況が続いているそうです。
引用元: 「偽物も続出……」”ボンボンドロップシール” が空前のブーム 900万枚出荷も「製造追いつかない…」と担当者はうれしい悲鳴(ねとらぼ)
「売れすぎて困る」というのは経営者にとって贅沢な悩みですが、機会損失を最小化するための判断が求められる局面です。
しまむら予約販売は「機会損失を減らす」施策だった
2026年1月27日、しまむらグループの公式オンラインストアでボンボンドロップシールの予約販売がスタートしました。
この施策のポイントは「予約制」と「店舗受取限定」という2つの条件です。
予約制にすることで需要を事前に把握でき、生産計画を立てやすくなります。
店舗受取限定にすることで、しまむらグループへの来店促進と、転売目的の大量購入を抑制する効果も期待できます。
流通パートナーとの連携で販路を広げつつ、需給バランスをコントロールするという経営判断がここに見えます。
転売・偽物問題に公式はどう向き合っている?
ボンボンドロップシールの人気過熱に伴い、高額転売や偽物(模倣品)の問題が深刻化しています。
実はこのボンボンドロップシール、あまりの人気から現在高額転売が横行している。販売価格の5倍以上の値付けをしている業者も存在し、模倣品も出回っている。
引用元: 高額転売や模倣品も…ボンボンドロップシール人気はなぜここまで過熱したのか(東洋経済オンライン)
この動画では転売問題と適正価格について詳しく解説されています。
転売・偽物問題は、見方を変えればそれだけ市場の熱量が高いことの証拠でもあります。
公式としては生産増強と正規販路の拡大で対応しつつ、SNSで偽物への注意喚起を行うという姿勢を取っています。
ビジネスパーソンが学ぶべき3つの視点
「平成ノスタルジー×令和SNS」の掛け算
ボンボンドロップシールがヒットした最大の要因は、平成ノスタルジーと令和SNSの掛け算です。
2025年の新語・流行語大賞にノミネートされた「平成女児」というワードが象徴するように、平成時代に流行した文化を再び楽しむ層が増えています。
この動画では平成女児ブームとシール集めの関係を詳しく解説しています。
さらに、TikTokやInstagramでスマホケースにデコる動画が大バズりしたことで、Z世代にも一気に広がりました。
懐かしさで30代を刺激し、SNS映えでZ世代を取り込むという二段構えが効いています。
「交換」という行為が生むコミュニティ消費の威力
ボンボンドロップシールのもう一つの成功要因は、「シール交換」という文化の復活です。
平成時代に小学生の間で大流行したシール交換が、令和の子どもたちの間で再びブームになっています。
ビジネス的に言えば、商品が「交換財」として機能している状態です。
ポケモンカードやトレーディングカードと同じ構造ですが、シールは低単価で参入障壁が低いのが特徴です。
「買うだけ」で完結する商品よりも、「交換する」「見せ合う」という行為を設計に組み込んだ商品の方が、コミュニティを生み、リピート購入につながります。
IPホルダー連携で市場を拡大する方法
クーリア社の成功には、サンスター文具との提携によるIPビジネスへの昇華という戦略があります。
オリジナルデザインのシールだけでは、リーチできる顧客層に限界があります。
しかし、サンリオやディズニーといったIPと組むことで、既存のファン層にアプローチできるようになりました。
中小企業がIPホルダーと組むのは簡単ではありませんが、「まず自力でヒット商品を作る」→「話題性を武器に提携を持ちかける」という順序が重要です。
クーリア社の事例は、中小企業がIPビジネスに参入するためのモデルケースとして参考になります。
まとめ
ボンボンドロップシールの成功は、「たかがシール」では片付けられない示唆に満ちています。
500円のシールが50億円市場を創出したこの事例、自社のビジネスに応用できるヒントがあるかもしれません。
なお、ボンボンドロップシールの消費者向け情報(偽物の見分け方、購入方法など)は、こちらの記事で詳しく解説しています。


生産量を300倍に増やしても需要に追いつかないという状況は、まさに「嬉しい悲鳴」の典型例といえます。