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防衛装備庁が開発中のレールガン(電磁砲)が、2025年夏に世界初となる洋上射撃試験に成功したという衝撃ニュースが話題になっています。
防衛装備庁と海上自衛隊は、電磁気力で物体を撃ちだす装置「レールガン」の洋上射撃試験を実施したと発表した。海上自衛隊の試験艦「あすか」に搭載したレールガンから、標的船への射撃や長射程射撃などに成功したという。
引用元: 放てレールガン! 防衛装備庁が洋上射撃実験の動画を公開(ITmedia NEWS)
詳しい情報は以下をご覧ください。
【3分でわかる】レールガンとは?電磁砲の仕組みをサクッと知ろう
まずはレールガンの基本からサクッと押さえていきましょう。
難しそうに聞こえますが、仕組み自体はシンプルなので安心してください。
レールガンの基本原理
レールガンは「電磁加速システム」とも呼ばれる装置です。
仕組みを簡単に説明すると、2本の平行したレール(金属の棒)の間に弾丸を置き、そこに大電流を流します。
すると強力な磁場が発生し、この磁場の力(ローレンツ力)を利用して弾丸を超高速で射出するというわけです。
つまり、火薬の爆発力ではなく「電気エネルギー」で弾を飛ばすのがレールガンの特徴です。
従来の火薬式との違いとマッハ7の威力
従来の火薬式の大砲と比べて、レールガンには大きな優位性があります。
最大の違いは弾丸の速度です。
従来の火薬式では秒速1,700メートル程度が上限でした。
しかし防衛装備庁が開発したレールガンは、秒速2,500メートル以上を達成しています。
これは音速の約7倍、時速に換算すると約9,000kmという驚異的なスピードです。
弾丸が速いということは、それだけ威力も高く、射程も長くなるということです。
実際に防衛装備庁の射撃試験では、艦艇を模擬した複数枚の鋼板を打ち抜くことに成功しています。
なぜ今レールガンが注目されているのか?
レールガンが世界中で注目されている理由は、極超音速ミサイルへの対抗手段として期待されているからです。
近年、中国やロシアが開発を進める極超音速ミサイルは、従来の迎撃システムでは対処が難しいとされています。
マッハ5以上で飛来するミサイルを撃ち落とすには、それ以上の速度で弾を飛ばせる兵器が必要というわけです。
また、レールガンは弾丸1発あたりのコストが従来のミサイルより大幅に安いという利点もあります。
こうした背景から、日本だけでなくアメリカや中国もレールガン開発を進めているのです。
この動画ではレールガンの仕組みと最新の開発状況を解説しています。
防衛装備庁=日本の防衛技術を支える組織
レールガンを開発している「防衛装備庁」とはどんな組織なのか、こちらも押さえておきましょう。
防衛装備庁の役割と設立の経緯
防衛装備庁は2015年10月に設立された、防衛省の外局です。
自衛隊が使用する防衛装備品の研究開発・調達・管理を一元的に担う組織として誕生しました。
防衛装備庁は、防衛省の外局として設置され、装備品等の研究開発及び生産のための産業基盤の強化を図りつつ、研究開発、調達、補給及び管理の適正かつ効率的な遂行並びに国際協力の推進を図ることを任務としています。
引用元: 採用予定機関の紹介(防衛装備庁)(防衛省)
それまでは防衛省内の複数の部署に分散していた装備品の開発・調達機能を、1つの組織に集約したのがポイントです。
職員数は約1,800人で、事務官・技官が約1,400人、自衛官が約400人という構成になっています。
いわば日本の防衛技術開発の司令塔といえる存在ですね。
レールガン以外の主な開発プロジェクト
防衛装備庁はレールガン以外にも、様々な先端技術の研究開発を行っています。
代表的なプロジェクトをいくつか紹介しましょう。
レーザー兵器や無人機など、まさにSF映画のような技術が現実になりつつあるのです。
(防衛装備庁 研究開発報告関連より)
世界初・洋上射撃試験成功の背景
さて、なぜ日本がレールガンの洋上射撃試験で「世界初」の快挙を成し遂げられたのでしょうか。
実は、レールガン開発自体はアメリカが先行していました。
しかしアメリカ海軍は2021年にレールガン開発を中止しています。
理由は技術的課題の克服が難しく、費用対効果が見合わないと判断されたからです。
一方、日本は2016年から地道に研究を続け、2023年10月に最初の洋上射撃試験を実施しました。
そして2025年6〜7月に実施した2回目の洋上試験では、より高性能な口径40mmのレールガンを使用し、標的船への射撃や長射程射撃に成功したのです。
この動画では2025年の洋上射撃試験の詳細を解説しています。
レールガンはいつ実戦配備される?今わかっていること
洋上射撃試験の成功は大きな一歩ですが、実際に自衛隊の艦艇に配備されるのはいつ頃になるのでしょうか。
現時点でわかっていることを整理してみましょう。
2025年洋上試験で確認された成果
2025年6〜7月に実施された洋上射撃試験では、いくつかの重要な成果が確認されました。
特に揺れる船の上という不安定な環境で、安定した射撃ができたことは大きな進歩です。
これまでは陸上の試験場でしか撃てなかったものが、実際の海上環境でも機能することが証明されたわけです。
防衛装備庁は11月12日、研究成果を発表するイベント「防衛装備庁 技術シンポジウム2025」を開催した。その中で「電磁加速システムの洋上射撃試験」と題した演題で、電磁加速装置こと”レールガン”研究の進捗を報告した。
引用元: 船を撃ち抜け、レールガン──装備庁、夏に実施した”洋上射撃試験”を解説(ITmedia NEWS)
海上自衛隊の試験艦「あすか」に搭載されたハイスピードカメラと弾道レーダーで、これらのデータ取得にも成功しています。
電源小型化など技術的課題は残っている
ただし、実用化に向けてはまだ解決すべき課題があります。
最大の課題は電源装置の小型化です。
現在のレールガンの電源部は、長さ約6メートルのコンテナが4台も必要という巨大なものになっています。
防衛装備庁は、酸化ガリウムパワー半導体など最新の民生技術を活用して電源の小型化を進める方針です。
(日経クロステックより)
これらの課題を一つずつクリアしていくことで、実用化への道が開けてくるでしょう。
今後の配備計画は?どんな役割を期待されている?
防衛装備庁は今後も引き続きレールガン研究に取り組んでいく方針を示しています。
具体的な配備時期は公表されていませんが、2030年代の実用化を目指しているとみられています。
想定されている主な役割は以下の通りです。
特にイージス艦への搭載が想定されており、既存のミサイル防衛システムを補完する形での運用が考えられています。
また、艦艇だけでなく陸上での運用も検討されているとのことです。
周りでも話題になっている技術なので、今後の動向は要チェックですね。
この動画では防衛装備庁が公開した最新の洋上射撃実験映像を紹介しています。
まとめ
レールガンは電気の力で弾丸を超高速で撃ち出す次世代兵器であり、防衛装備庁が世界に先駆けて洋上射撃試験に成功しました。
防衛装備庁は2015年に設立された防衛省の外局で、自衛隊の装備品開発を一手に担う組織です。
SF映画の世界が現実になりつつある今、日本の防衛技術から目が離せませんね。
知らないと損する情報なので、ここまで読んだなら防衛装備庁の公式サイトもチェックしておきましょう。


SF映画やアニメでおなじみの「超電磁砲」が、いよいよ現実のものになりつつあります。
日本が世界に先駆けて艦艇搭載型レールガンの実用化に向けた大きな一歩を踏み出したと言えるでしょう。