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明電舎のCM「電気よ、動詞になれ。ピクセルアート篇」が、2025年10月にドラマ「相棒」で再び放送されSNSで大きな話題になっているという現象が起きています。
株式会社明電舎(代表取締役 執行役員社長:三井田 健/東京都品川区、以下 明電舎)のSNS広告、「電気よ、動詞になれ。」ピクセルアート篇(以下 当作品)は、このたびYouTube※ Works Awards Japan 2023(主催:Google)において、Breakthrough Advertiser 部門ならびに、グランプリを受賞し、2022年の日本を代表するYouTube広告となりました。
引用元: YouTube Works Awards Japan 2023 グランプリを受賞(明電舎公式)
詳しい情報は以下をご覧ください。
明電舎CM「ピクセルアート篇」の基本情報
CMのコンセプトと制作背景
明電舎は変電所の電気設備や電車の電源など、電気の技術を通じて世の中と暮らしを支える重電メーカーです。
しかしBtoB業態のため一般の人々からは認識されにくく、特に20歳以下の認知スコアが20代前半の約半分という課題を抱えていました。
電気が描くビジュアル(ピクセルアート)と電気が奏でる音楽(チップチューン)で企業メッセージを映像化しています。
使用楽曲はSnail’s House「Dream Castle」
CMで使用されている楽曲は、海外からの支持も厚い日本人音楽プロデューサーSnail’s Houseの「Dream Castle」です。
8bitサウンドと現代的なビート感が融合した楽曲が、80年代のゲームを想起させるピクセルアートの映像と完璧にマッチしています。
この組み合わせが、見る人の心に懐かしさと新鮮さを同時に届けているんですね。
YouTube Works Awards Japan 2023グランプリ受賞
このCMは2023年6月8日に発表された「YouTube Works Awards Japan 2023」で最高賞のグランプリと、Breakthrough Advertiser部門賞をダブル受賞しました。
YouTube Works Awards Japanは、YouTubeで高い効果を獲得した動画広告を表彰する計8部門からなる広告賞です。
審査員長のコムドット・やまと氏は次のように評価しています。
(BtoB企業の動画は)視聴者目線になると、自分たちはターゲットではないと感じられそうなところを、ピクセルアートですっと頭に入ってきました。スキップできるのに、スキップしたくない。最後まで見たいクリエイティブに昇華している点が素晴らしかったです
引用元: YouTube広告を活用し、高いビジネス効果へつなげた8つのキャンペーンとは?(MarkeZine)
初めてのYouTube広告挑戦でグランプリというのは、本当にすごい快挙ですよね。
なぜこのCMは「エモい」のか?ピクセルアートの魅力
80年代ゲームを想起させるレトロ感
ピクセルアートは、1980年代のビデオゲームから始まったアートスタイルです。
ファミコンやゲームボーイ世代には懐かしく、若い世代にはマインクラフトなどを通じて親しみやすいという、幅広い年齢層にアピールできる特性があります。
レトロブームの高まりもあり、ピクセルアートは現代に再び注目を集めています。
8bitチップチューン音楽との融合
映像だけでなく、Snail’s Houseによる8bitチップチューン音楽が、視覚と聴覚の両方でレトロゲーム体験を再現しています。
チップチューンとは、古いゲーム機の音源チップを使った(または模した)電子音楽のジャンルです。
この音楽が流れると、自然と80〜90年代のゲームセンターやゲーム機の前にいた時間を思い出す人も多いのではないでしょうか。
映像と音楽の完璧なマッチングが、エモさを生み出している最大の要因です。
「スキップしたくない」と言われる理由
YouTube広告は通常5秒後にスキップできますが、このCMは「普段は飛ばすのに、これは最後まで見てしまった」という声が続出しました。
その理由は、広告らしくない、エンターテインメント性の高さにあります。
SNSでは「今まで見たCMの中で一番好き」「何度も見てしまう」といった熱量の高い投稿が見られました。
こういう反応が自然と広がるCMって、本当に稀ですよね。
この動画ではCM本編をフルで視聴できます。
明電舎がBtoB企業なのに若者に刺さった戦略
認知度向上という課題
明電舎は創業120年を超える老舗企業ですが、BtoB事業が中心のため、一般消費者、特に若年層からの認知度が低いという課題を抱えていました。
定点でのイメージ調査によると、20歳以下の認知スコアは20代前半の約半分の水準でした。
こうした課題を打破するために、明電舎はまったく新しいアプローチでYouTube広告に挑戦しました。
アーティストとファンの関係性を築くMV戦略
このCMの最大の特徴は、「企業MV」として制作され、広告というより一つの作品として楽しめる内容になっている点です。
読売広告社のクリエイティブディレクター・高橋尚睦氏は、企業とターゲットという関係ではなく、アーティストとファンという新たなつながり方を目指したと語っています。
実際にSNSでは「明電舎のCM曲が好きすぎる」「普通に音楽として聴いてしまう」といった、ファンとしての反応が多数見られました。
企業の枠を超えて、カルチャーとして受け入れられたことが成功の鍵でしたね。
実際のビジネス効果(サイト訪問数20倍以上)
この企業MV戦略は、感情面だけでなく具体的なビジネス成果も生み出しました。
明電舎の公式発表によると、キャンペーン期間中に次のような成果を達成しています。
YouTube広告としても、スキップ可能な広告フォーマット(TrueView インストリーム広告)を採用し、視聴者が主体的に視聴を選択する形にしたことが成功に貢献しています。
明電舎はこのCM以外にも、ピクセルアート×音楽の企画を展開しています。
こちらは「電気よ、動詞になれ。」浄化しろ。編のCMソングとして使用されたBialystocksの楽曲です。
まとめ
明電舎のCM「電気よ、動詞になれ。ピクセルアート篇」は、ピクセルアートと8bitチップチューン音楽を融合させた企業MVとして、YouTube Works Awards Japan 2023のグランプリを受賞しました。
80年代ゲームカルチャーへの懐かしさと現代的な表現の融合が「エモい」と評価され、BtoB企業でありながら若年層との接点創出に成功しています。

