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グロリオサの球根に含まれる「コルヒチン」は、たった3gで致死量に達する猛毒であるということを、まず知っておいてほしい。
2026年4月6日、宮崎県は小林市の80代男性がグロリオサの根を誤って食べたとみられるコルヒチン中毒で死亡したと発表しました。自宅の庭に植えられていたグロリオサを山芋と間違えた可能性が指摘されています。
宮崎県は、先月、小林市の80代の男性が食中毒で死亡したと発表しました。原因は、有毒植物の「グロリオサ」とみられています。県によりますと、先月14日ごろ、80代の男性と70代の女性2人がおう吐や下痢などの症状を訴え、このうち80代の男性が31日に亡くなりました。
引用元: コルヒチン検出 小林市の80代男性が死亡 自宅に保管の有毒植物グロリオサとみられる根を摂取か(Yahoo!ニュース/MRT宮崎放送)
詳しい情報は以下をご覧ください。
グロリオサって何?庭先にもある「身近な猛毒植物」の正体
そもそもグロリオサとはどんな植物?花はキレイなのに全草が毒
グロリオサは、イヌサフラン科グロリオサ属の観賞用植物で、別名「キツネユリ」とも呼ばれています。
燃える炎のような赤や黄色のグラデーションが美しく、生花店でも人気の高い花です。
熱帯アジア・アフリカが原産で、日本では高知県が国内生産量1位を誇り、全国シェアの約70%を占めています。
園芸店やホームセンターで球根が普通に売られていて、庭先で育てている家庭も多い身近な植物です。
しかしその美しさとは裏腹に、球根・茎・葉・花のすべてに有毒成分「コルヒチン」が含まれています。
犬や猫などのペットが触れても危険なので、ペットを飼っている方は特に注意が必要ですね。
有毒成分「コルヒチン」がヤバい…たった3gで致死量に達する
コルヒチンとは、植物に含まれるアルカロイドの一種で、人や動物が多量に摂取すると強い毒性を示す物質です。
体重50kgの場合、最小致死量はわずか約4.3mgとされています。
たった3gというのは、球根のほんのひとかけら程度の量です。
「ちょっと味見してみよう」と口に入れただけで命に関わる事態になり得るのですから、本当に怖い物質ですよね。
加熱しても毒は消えない!調理しても安全にならない恐ろしさ
「煮たり焼いたりすれば毒は消えるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
残念ながら、コルヒチンは熱に非常に安定しており、加熱調理しても分解されないのです。
コルヒチンは、イヌサフランやグロリオサなどに含まれる有毒な成分です。熱にも安定であることから、加熱調理をしても分解されないので注意が必要です。
引用元: イヌサフランとグロリオサ~身近な有毒植物~(大阪健康安全基盤研究所)
すりおろして「とろろ」にしても、味噌汁に入れて煮込んでも、天ぷらにして揚げても、毒は消えません。
しかも特効薬(解毒剤)が存在しないため、誤食してしまった場合は対症療法しかないのが現状です。
この動画ではグロリオサを含む身近な猛毒植物の危険性を詳しく解説しています。
ここまで読んで「自分の家の庭にもあるかも…」と不安になった方は、まず庭を確認してみてください。
また死亡事故が…宮崎県80代男性はなぜ命を落としたのか
2026年4月、自宅の庭にあったグロリオサの根を食べて死亡
2026年4月6日、宮崎県が発表した内容によると、事故が起きたのは3月中旬のことでした。
症状が出てから亡くなるまで約2週間半という長い苦しみの末に命を落としたことになります。
70代の女性も同様の症状を訴えていますが、その後の容体については現時点で詳しく報じられていません。
宮崎県では、グロリオサは一般の庭にも植えられている植物であり、由来の分からないものを自分の判断で口にしないよう注意を呼びかけています。
過去にも鹿児島・高知・延岡で繰り返されてきた同様の悲劇
今回の事故は決して「初めてのケース」ではありません。
日本国内では過去にも、グロリオサの誤食による死亡事故が複数回発生しています。
グロリオサについては、根が茶色で細長いことから、これを山芋と間違って食中毒になった事例が報告されています。イヌサフランによる食中毒は4月から6月に多く発生し、2011~2021年の間に日本国内では11名の方が亡くなっています。
引用元: イヌサフランとグロリオサ~身近な有毒植物~(大阪健康安全基盤研究所)
毎年のように同じパターンで事故が起きているというのは、それだけ「見分けがつきにくい」ということの証拠でもあります。
SNSでもこのニュースには「また起きてしまったのか」「庭に植えてるけど怖くなった」という声が上がっています。
なぜ間違える?山芋とグロリオサの球根が「そっくり」すぎる問題
ではなぜ、これほど繰り返し誤食事故が起きてしまうのでしょうか。
理由はシンプルで、グロリオサの球根と山芋の見た目が本当にそっくりだからです。
特に冬から春にかけて、グロリオサの地上部(茎や葉)は完全に枯れてしまい、土の中には球根だけが残ります。
この状態で庭を掘り返すと、茶色くて細長い球根が出てくるわけですが、見た目だけでは山芋との区別がほとんどつきません。
この動画では猛毒を持つ美しい花の危険性について解説されています。
知れば知るほど、「知らなかった」では済まされない危険性を感じますよね。
山芋とグロリオサを見分ける方法は?家庭菜園で絶対やってはいけないこと
見た目で分かる3つの違い…ひげ根・表面の質感・折った時の断面
見た目がそっくりとはいえ、よく観察すれば違いはあります。
(高知市 生活食品課より)
つまり「ひげ根がない」「表面がつるつる」「折っても糸を引かない」場合は、それはグロリオサの可能性が高いということです。
少しでも怪しいと感じたら、絶対に口にしないでください。
すりおろせば一発で分かる!粘り気が「ない」なら食べてはダメ
見た目の違いだけでは不安だという方に、もうひとつ決定的な見分け方があります。
それはすりおろしたときに「粘り気」があるかどうかです。
山芋をすりおろすと、ネバネバとした粘り気が出て糸を引きますよね。
一方、グロリオサの球根をすりおろしても粘り気はまったく出ません。
過去の死亡事故でも、すりおろして「とろろ」にして食べたケースが複数報告されています。
食用植物とグロリオサを近くに植えるのは絶対NG…誤食した場合の対処法も
家庭菜園をしている方に声を大にして伝えたいのが、グロリオサと食用植物を近くに植えないでくださいということです。
家庭菜園をする場合は、食用植物を植えている場所には混植しないでください。グロリオサの場合、ヤマイモの近くに植えてしまうと、間違えて掘り起こしてしまう可能性があります。
引用元: 有毒植物(グロリオサ)の誤食による食中毒について(高知市 生活食品課)
万が一誤食してしまった場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。
コルヒチン中毒には特効薬がなく、内視鏡で胃の中の球根を除去するしか有効な手段がありません。
時間が経つほど毒が体内に吸収されてしまうため、「おかしい」と思ったら一刻も早く病院へ行くことが命を守る唯一の方法です。
この動画では有毒植物と山菜の見分け方について実際の植物を使って解説しています。
ここまで読んだなら、ご家族や周りの方にもぜひこの情報を共有しておきましょう。
まとめ
グロリオサは美しい花を咲かせる一方で、球根に致死量のコルヒチンを含む猛毒植物です。
2026年4月にも宮崎県で80代男性が死亡する事故が発生し、過去にも鹿児島・高知・延岡など全国で同様の悲劇が繰り返されています。
「庭にグロリオサを植えているけど大丈夫」と思っている方にこそ、この情報は必要です。
正しい知識さえあれば防げる事故なので、この記事をきっかけに家族や近所の方と共有してみてください。
知らないと損する情報なので、ぜひ周りの方にも教えてあげてくださいね。


