昭和・平成世代向けのWebメディア、LifeGoodTrend編集部です。
ローム・東芝・三菱電機の3社が、パワー半導体事業の統合に向けた交渉を開始することが明らかになりました。
三菱電機と東芝、ロームの3社が、鉄道や電気自動車(EV)、データセンターのサーバーといった幅広い製品の電力制御に使うパワー半導体の事業統合に向け交渉に入ることが26日分かった。EV需要の低迷や中国企業の台頭に伴い、日本メーカーは苦境に陥っており、「日の丸連合」を目指して世界市場で存在感を示すのが狙いだ。
引用元: パワー半導体の事業統合交渉入り 三菱電機と東芝、ローム(共同通信 / Yahoo!ニュース)
詳しい情報は以下をご覧ください。
パワー半導体3社統合って何が起きてるの?
そもそも「パワー半導体」って何?エアコンもEVも動かす縁の下の力持ち
「半導体」と聞くと、スマホやパソコンの頭脳となるCPUを思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも実は、電気を効率よく制御する「パワー半導体」も私たちの暮らしに欠かせない存在なんです。
CPUが「頭脳」なら、パワー半導体は「筋肉」のような役割です。
目立たないけれど、なくなったら困るものばかりですよね。
ローム・東芝・三菱電機が手を組む理由は「中国の猛攻」
ではなぜ、この3社が統合に動いたのでしょうか。
最大の理由は、中国メーカーの急速な台頭と価格競争の激化です。
世界トップのドイツ・インフィニオンはシェア約17.8%。
対して日本勢は三菱電機が2.8%、東芝が2.7%と、個別に戦っていてはとても太刀打ちできない状況に追い込まれていました。
こうした危機感から、「バラバラに戦うのではなく、力を合わせて世界と戦おう」という流れが生まれたわけです。
この動画ではデンソーのローム買収提案と中国の脅威を解説。
デンソーの1.3兆円買収提案と「ローム争奪戦」の構図
話をさらにややこしくしているのが、トヨタグループの中核企業であるデンソーがロームに買収提案を行っているという事実です。
ロームは社外取締役らで構成する特別委員会で、デンソーの買収提案と東芝にかねてパワー半導体業界の再編を主張していた三菱電機が合流する3社との事業統合のどちらが企業価値向上につながるかを模索中だが、デンソーによるロームへの買収提案に対抗する狙いもある。
引用元: ローム・東芝・三菱電機の3社、パワー半導体統合交渉入り(レスポンス)
つまり、ロームは今「2つの選択肢」を天秤にかけている状態です。
どちらに転んでも、日本のパワー半導体業界の地図が一変する大きな決断になります。
この話題は投資家の間でも大注目されていて、今後の展開から目が離せません。
世界2位「日の丸連合」が実現するとどうなる?
3社合計で世界シェア約1割、インフィニオンに次ぐ巨大連合に
現在、パワー半導体の世界市場規模は約4兆円と言われています。
そして今後数年で10兆円以上に拡大するとの予測も出ています。
ロームと東芝、三菱電機の3社が、電気自動車(EV)やデータセンターの電力制御に使うパワー半導体事業の統合交渉を始める。27日にも協議入りで基本合意し発表する。統合が実現すれば合計の世界シェアが約1割で世界2位の連合が誕生する。統合でコスト競争力を高める。
引用元: ローム・東芝・三菱電機、パワー半導体統合協議 世界2位連合へ(日本経済新聞)
これだけ大きな成長市場で、日本勢が世界2位のポジションを確保できるかどうかは、産業政策としても非常に重要な局面です。
この動画ではパワー半導体統合の最新ニュースを解説。
ロームはSiC、東芝は大容量、三菱は産業用…強みの掛け合わせがすごい
3社にはそれぞれ異なる得意分野があります。
この3社が一体化することで、EVから鉄道、産業インフラまで幅広い分野をカバーできる総合力が生まれると期待されています。
バラバラに戦っていたときとは比較にならないほど、製品ラインナップの厚みが増すわけですね。
経産省も後押し!政府補助金2000億円のハードルが再編を加速させた
実はこの再編の裏には、政府の後押しもあります。
経済産業省は、パワー半導体への補助金交付の条件として「事業規模2000億円以上」というハードルを設定しました。
こうした背景もあり、各社は「組まざるを得ない」状況に追い込まれていた面もあります。
ここまで読んだ方は、「結局、私たちの暮らしにどう関係あるの?」と気になりますよね。
【生活への影響】EV・電気代・家電…私たちに関係あるの?
EVが安くなる?パワー半導体のコスト低下が車両価格に直結する仕組み
電気自動車(EV)の価格の中で、バッテリーに次いでコストが大きいのがパワー半導体を含むパワーエレクトロニクス部品です。
3社統合によってスケールメリットが生まれれば、パワー半導体の製造コストが下がり、最終的にはEVの車両価格にも反映される可能性があります。
もちろん、すぐに値下げにつながるわけではありませんが、長い目で見ればプラスの影響が期待できます。
データセンターの電力効率アップで間接的に恩恵がある可能性も
AIの急速な普及により、データセンターの消費電力は爆発的に増えています。
一部の予測では、数年のうちに世界の消費電力の15%以上をデータセンターが使うとも言われているほどです。
3社が統合することで、それぞれが持つ強みを結集し、世界有数のパワー半導体サプライヤーを目指す構えだ。ロームはシリコンカーバイド(SiC)パワー半導体で先行し、東芝は大容量デバイスに強く、三菱電機は鉄道や産業機械向けの高信頼性製品で実績を持つ。
引用元: ローム、東芝、三菱電機がパワー半導体事業統合協議へ(BigGo ファイナンス)
高性能なパワー半導体が安定供給されれば、データセンターの電力効率が上がり、間接的に私たちが使うクラウドサービスやAIの運用コスト低下にもつながる可能性があります。
知らないうちに恩恵を受けている、ということもありえますね。
この動画ではローム・東芝・三菱電機の再編全体像とデンソー案との比較を解説。
エアコン・冷蔵庫・太陽光パネル…「省エネ性能」を左右するのがパワー半導体
パワー半導体の技術が進歩すると、家電の省エネ性能も向上します。
こうした製品に使われるパワー半導体の品質と価格は、日本メーカーが世界で競争力を持てるかどうかに直結しています。
今回の統合が成功すれば、日本発の高性能パワー半導体がより安く安定的に供給されることで、私たちの省エネライフにも良い影響が期待できるでしょう。
まとめ
ローム・東芝・三菱電機のパワー半導体事業統合は、日本の産業競争力を左右する歴史的な局面です。


統合が実現すれば、世界シェア約1割で世界2位の「日の丸連合」が誕生します。
一方で、トヨタグループのデンソーもロームに対して約1.3兆円規模の買収提案を行っており、業界再編は混迷を極めています。