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石油の国家備蓄が3月26日から順次放出されることを、高市首相が3月24日の関係閣僚会議で正式に表明しました。
高市早苗首相は24日、中東情勢に関する関係閣僚会議で石油の国家備蓄の放出を26日から始めると表明した。民間が保管する15日分を先行して放出しており、国が備蓄する30日分も出す。中東の産油国が日本国内で保管する「産油国共同備蓄」も、3月中に放出が始まる予定だとした。
引用元: 石油の国家備蓄、26日放出へ 首相「経済影響、最小限に」(西日本新聞)
詳しい情報は以下をご覧ください。
石油の国家備蓄が26日から放出へ・・・つまり今どういう状況?
2月末のイラン攻撃→ホルムズ海峡封鎖→原油が届かない、を時系列で整理
ニュースが次々と出てきて「結局いま何が起きてるの?」と混乱している方も多いのではないでしょうか。
ここで一度、時系列を整理しておきます。
日本の原油輸入の9割以上は中東からの輸入で、そのほとんどがホルムズ海峡を通っています。
この海峡が封鎖されたことで、日本に届く原油が激減する見通しとなり、政府が異例のスピードで動いているわけです。
この動画では石油備蓄放出の背景と政府の対応を解説。
民間備蓄→国家備蓄→産油国共同備蓄の「3段階放出」が始まっている
日本の石油備蓄には3つの種類があります。
今回の放出はこの3つすべてを同時に動かす前例のない対応です。
まず3月16日に民間備蓄15日分が先行放出され、続いて26日から国家備蓄30日分の放出が始まります。
産油国共同備蓄も3月中に動き出す見通しで、赤沢経産相は週内にも売買契約を結ぶ方針を示しています。
こうした情報を知っておくと、ニュースの見え方が変わってきますよね。
254日分のうち45日分を使う計算、残りの備蓄量はどうなる?
「254日分もあるなら大丈夫でしょ?」と思うかもしれません。
確かに2025年末時点の備蓄量は約4億7,000万バレル、日数にして254日分です。
今回放出するのは45日分・約8,000万バレルなので、単純計算で残りは約209日分となります。
だからこそ政府は備蓄放出と並行して、サウジアラビアやUAE、さらにはアメリカからの代替調達ルートの確保を急いでいるわけです。
備蓄放出でガソリン価格や生活はこれからどう変わるのか
ガソリン補助金+備蓄放出の「ダブル対策」で170円に抑える仕組み
政府の対策は大きく2つあります。
つまり、備蓄放出で「足りなくなるかも」という不安を抑え、補助金で「高くなりすぎる」問題に対処する合わせ技です。
補助金の財源は燃料油価格激変緩和対策基金の残高約2,800億円ですが、政府は予備費から約8,000億円を追加で積み増す方針を固めています。
周りでも「ガソリンが高い」という声をよく聞きますが、この補助金がなかったら200円を超えていた可能性もあります。
この動画では備蓄放出後のガソリン価格の見通しを解説。
放出から店頭価格に届くまで1〜2週間のタイムラグがある理由
「備蓄を放出した」と聞くと、すぐにガソリンが安くなりそうなイメージがありますよね。
でも実際には、放出決定から店頭価格に反映されるまでに1〜2週間のタイムラグがあります。
補助金も3月19日出荷分から適用されていますが、各スタンドの在庫が入れ替わるまでは店頭価格に反映されません。
実際に安くなるのは3月末〜4月上旬が見込みとされています。
焦らず情報をチェックしていくのが大事ですね。
代替ルート確保も進行中・・・サウジ紅海側やアメリカからの調達とは?
備蓄放出はあくまで「つなぎ」の措置です。
本質的に重要なのは、ホルムズ海峡を通らない代替ルートからの原油調達。
赤沢経産相は3月24日、以下の代替ルートを進めていることを明らかにしました。
赤沢氏は「ホルムズ海峡を経由しない代替ルートからの調達拡大も進めている」と説明した。サウジアラビアの紅海側のヤンブー港やUAEのフジャイラ港での積み込み、米国からの調達の拡大を挙げた。
引用元: 赤沢経産相「産油国共同備蓄を5日分放出」 週内に売買契約(日本経済新聞)
備蓄でしのいでいる間に代替ルートを確立できるかどうかが、今後の生活に直結するポイントです。
【Q&A】原油備蓄の放出でみんなが気になる疑問をまとめてみた
Q. そもそも「国家備蓄」って何?どこにあるの?
国家備蓄とは、1973年のオイルショックを教訓に作られた制度で、国が全国10カ所の専用基地に原油を封印保管しています。
管理しているのはJOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)で、経済産業大臣の指示がないと原油を出すことができません。
日本が単独で国家備蓄の大規模放出に踏み切るのは、1978年の制度開始以来、事実上初めての事態です。
この動画では備蓄254日分の内訳と今後のリスクを解説。
Q. 備蓄が尽きたらどうなるの?
結論から言うと、日本だけで戦っているわけではありません。
IEA(国際エネルギー機関)の32カ国が協調して、合計約4億バレルの石油備蓄を放出することで合意しています。
国際エネルギー機関(IEA)は19日、加盟国が始めた過去最大規模となる約4億バレルの石油備蓄の協調放出について、国別の放出量を公表した。日本は7980万バレルと全体の約2割を占める。放出量は最大である米国の1億7220万バレルに次ぐ2位となり、日米で全体の約6割を占めた。
引用元: IEA、石油備蓄で国別の放出量を公表 日米で全体の6割(日本経済新聞)
日本単独の備蓄が209日分に減ったとしても、国際的な協調体制があること、そして代替調達ルートの確保が進んでいることを考えれば、すぐに「尽きる」という状況にはなりにくいと考えられます。
ただし、ホルムズ海峡の封鎖がどれだけ続くかは誰にもわかりません。
状況が長期化すれば追加の放出も検討されるとIEAのビロル事務局長も示唆しており、国際社会の動きを含めて注視する必要があります。
Q. ガソリンとか灯油を買い溜めした方がいい?
「値上がりする前に満タンにしておこう」「灯油も多めに買っておこうか」・・・そう考える気持ちはすごくわかります。
ただ、ガソリンの買い溜めは実はかなり難しいんです。
それよりもっと怖いのが、「みんなが一斉に動く」ことで起きるパニック買いです。
3月上旬に一部のスタンドで行列が発生しましたが、あれは実際の供給不足ではなく、不安からの駆け込み給油が原因でした。
パニック買いが本当の品薄を作ってしまうという皮肉な構造になってしまうんですよね。
灯油についても、春に向かって需要が落ちる時期ですので、慌てて大量に買い込む必要性は低いです。
ガソリン補助金で170円程度に抑える措置がすでに動いていますし、普段通りの給油ペースを保つことが、結局いちばん賢い選択と言えそうです。
Q. 結局いつ頃落ち着くの?過去に放出した事例ってある?
過去の放出事例を振り返ると、ある程度の見通しが立てやすくなります。
2022年の放出では、入札方式で全量引き渡しに約6カ月かかりました。
今回は随意契約で短縮される見込みですが、ガソリン価格が本格的に落ち着くのは4月中旬〜5月頃になるとみられています。
ただしこれはあくまで「備蓄放出の効果が末端に届く時期」であり、根本的な解決にはホルムズ海峡の通航再開や代替ルートの安定化が不可欠です。
先の見通しが立ちにくい局面だからこそ、最新の公式情報をこまめにチェックしておきたいですね。
Q. 電気代やガス代にも影響するの?
残念ながら、影響はガソリンだけにとどまりません。
電気料金は燃料費調整制度を通じて原油・LNG(液化天然ガス)の価格が反映されるため、原油高が続けば数カ月後に値上がりする可能性があります。
家計への影響は年間3〜4万円の負担増になるとの試算もあり、エネルギー問題が身近な生活コストに直結していることを改めて実感させられます。
まとめ
石油の国家備蓄が3月26日から放出されるという今回のニュース、ポイントを整理すると以下の通りです。

