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漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルとされる医師の刑事裁判初公判が、2026年2月9日に神戸地裁姫路支部で開かれた。
法廷では証拠として、手術の様子を記録した映像が取り調べられ、松井被告が手術時にドリルで神経を巻き込む様子も大型モニターに映し出された。この動画を確認した脳外科医は調書に「信じられない手術視野」とコメントしていた。
引用元: 《恐怖の執刀シーンが…》見えないのにドリルで切削、神経切断 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデル・赤穂市民病院医療過誤裁判 初公判で明らかになった医師の”手術映像”(NEWSポストセブン)
詳しい情報は以下をご覧ください。
「脳外科医竹田くん」モデル医師の刑事裁判初公判が行われた
2020年1月の手術ミスから6年越しの法廷へ
事件の発端は2020年1月、赤穂市民病院での脊柱管狭窄症の手術でした。
当時74歳だった女性患者の腰椎の一部をドリルで切削する手術において、執刀医だった松井宏樹被告が止血を十分に行わないままドリルを作動させ続けた結果、神経を覆う硬膜を損傷し、さらに神経を巻き込んで切断してしまいました。
患者は膀胱直腸障害を伴う重い神経損傷障害を負い、現在も車椅子生活を余儀なくされています。
被告は「基本的に認めます」と罪状をおおむね認めた
初公判の冒頭で行われた罪状認否において、松井被告は「基本的に認めます」と公訴事実をおおむね認めました。
ただし、弁護側は事故の責任について「松井さん1人に責任や原因があるとするのが正しい刑罰なのか」と主張しており、全面的に認めたわけではありません。
責任の所在をめぐる争いは、今後の公判でさらに展開される見通しです。
8件の医療事故と「手術禁止後も止められなかった」組織の問題
赤穂市民病院では、2019年9月から翌年2月にかけて8件もの医療事故が相次ぎ、3名の患者が亡くなっています。
これらの事故には、2019年7月から脳神経外科に在籍していた松井医師が関わったとされています。
赤穂市民病院では、2019年9月18日から翌年2月27日にかけて8件の医療事故が相次ぎ、3名の患者が死亡した。これらの事故には、2019年7月から脳神経外科に在籍していた松井宏樹医師(47)が関わったとされる(医師は2021年8月末に依願退職)。
引用元: 「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた”泥沼告訴合戦”(NEWSポストセブン)
漫画『脳外科医 竹田くん』では、まさにこの「止められなかった組織」の姿がリアルに描かれており、漫画のフィクションが現実とほぼ重なっていたことが、今回の裁判を通じて改めて明らかになりつつあります。
こうした事態を知ると、自分が通う病院の安全管理体制がどうなっているのか、気になってくる方もいるのではないでしょうか。
この動画では赤穂市民病院の医療事故の経緯と被害者の声を報道しています。
法廷で上映された手術映像で「信じられない手術視野」が明らかに
A医師の模範手技では止血・ドリル切り替えが徹底されていた
今回の手術では、脳神経外科長のA医師がまず助手として模範手技を披露する形で始まりました。
A医師の執刀パートでは、スチールドリルで骨を切削しつつ、神経に近づくとダイヤモンドドリルという繊細な作業に適したドリルに切り替えていました。
さらに、その都度レーザーメスで止血を行い、ドリル先端の視野をしっかり確保しながら作業を進めていたことが、手術映像からも確認されています。
松井被告に交代後「止血せずドリルで切削を続行」した異常な展開
ところが、松井被告に交代した後の映像は一変しました。
A医師から止血を行うよう促されたにもかかわらず、松井被告は止血を行わないままドリルでの切削を続行しています。
さらに、神経近くに及んでもスチールドリルのまま使い続けるという判断をしており、ダイヤモンドドリルへの切り替えが行われませんでした。
最終的にドリルが硬膜を突き破り、神経を巻き込む事故に至りました。
この映像を確認した同業の脳外科医は、調書の中で次のようにコメントしています。
「私としては信じられない手術視野」「出血ありきの手術。視野が全く確保できていない。事故が発生して当然と言わざるを得ない。医療過誤である」「確実に止血を行ない、視野を確保していれば神経切断はなかった」
引用元: 《恐怖の執刀シーンが…》見えないのにドリルで切削、神経切断 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデル・赤穂市民病院医療過誤裁判 初公判で明らかになった医師の”手術映像”(NEWSポストセブン)
同じ手術室で、同じ患者に対して行われた手技でありながら、A医師と松井被告でここまで差が出ているという事実は、技術以前の「基本動作」の問題を示しているのではないでしょうか。
この動画では精神科医の視点から「脳外科医竹田くん」と在宅起訴について解説しています。
被害者は「一生車椅子です」と告げられている
被害に遭った女性患者は、調書の中で自身の状況を語っています。
手術前は「退院するとスタスタ歩けるようになる」と説明を受けていたにもかかわらず、手術後は強烈な痛みに襲われ、松井医師から「一生車椅子です」と告げられたといいます。
手術のミスだけでなく、術後の対応についても不信感を抱かざるを得ない状況だったことがうかがえます。
弁護側「オーバーワーク」主張と今後の裁判の行方
「1か月休みなし」vs「注意義務違反の程度は著しい」双方の主張
弁護側は初公判で、松井被告が当時「1か月間、休みなく働き、経験したことのない手術をすることになった」というオーバーワークの状況にあったことを主張しました。
さらに「指導医が適切な指導をしていれば事故は防げた」として、助手を務めたA医師の責任にも言及しています。
一方で、2025年5月の民事裁判判決では裁判所が「注意義務違反の程度は著しい」と認定しています。
民事裁判で約8900万円の賠償命令が出た経緯
刑事裁判に先立つ2025年5月14日、神戸地裁姫路支部は民事裁判において松井被告と赤穂市に対し、合わせて約8900万円の賠償を命じる判決を言い渡しています。
松井被告について「止血をこまめにせず、出血で見えにくい状態のまま手術を進めていて注意義務違反の程度は著しい」などと指摘し、赤穂市とあわせて、およそ8900万円を賠償するよう命じました。
引用元: 赤穂市民病院『手術ミス』民事裁判 執刀医と市に賠償命じる判決(関西テレビ)
なお、松井被告側は民事裁判において「漫画『脳外科医 竹田くん』の公開によって社会的制裁を受けているから慰謝料を減額すべきだ」とも主張していたことが報じられています。
この主張が認められたかどうかも含め、判決の詳細に注目が集まっています。
この動画では医療ミスを繰り返す医師がなぜ医療を続けられるのかを徹底取材しています。
2月18日の論告求刑と漫画作者の債務不存在確認訴訟の今後
刑事裁判は集中審理の形式で行われており、残りの日程は以下の通りです。
わずか9日間の間に3回の公判が組まれるという、異例のスピード審理です。
また、この刑事裁判とは別に、漫画『脳外科医 竹田くん』の作者が2025年3月に松井被告に対して「漫画は名誉毀損にあたらない」とする債務不存在確認訴訟を大阪地裁に提起しています。
作者は2025年2月に、自身が医療過誤の被害者親族であることを公表しており、「一連の医療事故の真相が究明されないまま事件の記憶が風化すれば、また新たな犠牲者が生まれてしまうのではないか」という危機感から漫画を描いたとしています。
刑事裁判の行方はもちろんですが、漫画をめぐる訴訟の結果も、今後の医療告発のあり方に影響を与える可能性があります。
ここまで読んだ方は、ぜひ公判の結果にも注目しておきましょう。
まとめ
漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルとされる医師の刑事裁判初公判が2026年2月9日に開かれ、手術映像の上映や被告の認否など重要な事実が明らかになりました。


執刀医だった松井宏樹被告(47)が業務上過失傷害の罪に問われており、法廷では手術映像が証拠として上映される異例の展開となりました。