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高市首相がNHK日曜討論を欠席した背景には、関節リウマチという「理解されにくい病気」の問題がある。
政府高官は4日、高市早苗首相(自民党総裁)が手の治療を理由に1日のNHK「日曜討論」を欠席したのは、木原稔官房長官の判断だったと記者団に説明した。首相は衆院選の遊説先での握手などで関節リウマチの持病が悪化したため、治療を優先させたとした。
引用元: 高市早苗首相のNHK討論欠席「木原稔官房長官が判断」 手の治療優先(日本経済新聞)
詳しい情報は以下をご覧ください。
高市首相NHK日曜討論「欠席」の経緯を時系列で整理
2月1日当日に何が起きたのか
2月1日の朝、NHKに対して官邸サイドから高市首相の欠席が伝えられました。
番組開始直後、司会者が「昨日の遊説中に腕を痛めて治療に当たっている」と説明。
代理として田村憲久政調会長代行が急きょ出演する事態となりました。
高市首相は番組終了後、自身のXで「関節リウマチの持病があり、手が腫れてしまいました」と説明。
同日午後には岐阜県や愛知県で右手にテーピングを巻いた状態で街頭演説を行っています。
「2日前から準備」と「木原官房長官の判断」
朝日新聞の報道によると、政府高官は「木原官房長官が判断した」と説明しました。
首相は1月23日の衆院解散時に公認証書を手渡しする際、繰り返し握手をしたことで持病が悪化したとされています。
政府側は「首相は出演の意向だったが、木原氏が治療を優先させた」と説明しており、両方の情報が出ている状態です。
持病は公表済み、それでも疑念を招いた「伝え方」の問題
高市首相の関節リウマチは以前の自民党総裁選でも言及されており、持病として公表されていた事実があります。
しかしタイミングが悪かった。
前日の1月31日、街頭演説で「円安だから悪いと言われるが、外為特会の運用もホクホク状態だ」という発言が物議を醸していたのです。
その翌朝にNHK討論を欠席し、しかし午後の街頭演説は予定通り行った。
この流れが「追及を避けたのでは」という見方を生んだ構造です。
この動画では関節リウマチの早期発見と治療について解説しています。
そもそも関節リウマチとはどんな病気なのか
免疫が自分の関節を攻撃する「自己免疫疾患」
関節リウマチは、本来ウイルスや細菌から体を守るはずの免疫が、誤って自分の関節の滑膜を攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。
炎症が続くと軟骨や骨が破壊され、関節が変形していきます。
近年は発症年齢の中心が60歳代にシフトしており、決して珍しい病気ではありません。
こうした基本的な情報を知っているだけでも、周囲の方への理解が変わってくるはずです。
「見た目ではわかりにくいこともある」のが厄介な点
高市首相のようにテーピングや腫れが外見に現れることもあります。
しかし厄介なのは、関節内部で炎症が進行していても、外見上はまったく普通に見えるケースが多いことです。
この「見えるときと見えないときがある」という不安定さが、周囲の誤解を生む最大の原因です。
磐田市立総合病院のリウマチ診療資料でも「男性側の身内にはリウマチの痛みが理解されにくく、しばしば誤解を生じる」と指摘されています。
今回の「演説はできるのに討論は出ないのか」という批判が出た背景にも、この「見えにくさ」が関わっています。
日常動作の繰り返しが関節を壊していく現実
ここが最も知ってほしいポイントです。
関節保護と環境設定: 関節の痛みや変形は、毎日の日常生活での動作の反復によって進行します。リウマチの患者さんがなりやすい変形を予防するために必要な関節保護手技を患者さん自身が習得し、日常生活で実践することが大切です。
引用元: 関節リウマチのリハビリテーション(慶應義塾大学病院 KOMPAS)
ペットボトルを開ける、蛇口をひねる、包丁を握る、鍋を片手で持つ。
健康な人には何でもない日常動作の一つひとつが、関節リウマチの方にとっては関節への負荷になり得るのです。
つまり「握手で手を強く引っ張られて悪化した」というのは、大げさでも何でもなく、この病気の性質そのものなのです。
この動画では関節を守る具体的な生活動作を紹介しています。
周囲にいるかも?関節リウマチについて知っておきたいこと
「できる時」と「できない時」が同じ日でも変わる
関節リウマチには「朝のこわばり」という特徴的な症状があります。
朝は関節がこわばって動かしにくく、時間が経つにつれて楽になっていくことが多いのです。
さらに炎症の波、天候、体調によって「できること」と「できないこと」が同じ日の中でも変わります。
「午後に演説できたんだから、朝のテレビにも出られたはず」という指摘は、この病気の特性を知らない人の発想と言わざるを得ません。
善意の握手やハグが「凶器」になることもある
今回の件で最も教訓になるのがこの点です。
支援者の方々は応援の気持ちから握手の手を強く引っ張った。
しかしその善意が、関節リウマチの持病を持つ首相の手を悪化させてしまいました。
「強く握る」「引っ張る」「ひねる」といった動作は、リウマチ患者の関節に深刻なダメージを与える可能性があるのです。
知識があれば防げたかもしれない。
相手の体調や持病に配慮した接し方は、周囲の人が正しい知識を持つことで初めて可能になります。
例えば、指を小指側に捻る動作をなくすために、蛇口やドアノブに長柄のレバーを取り付けたり、重たいものを運ぶ時には前腕で支えるなどの動作を習慣づける必要があります。
引用元: 関節リウマチのリハビリテーション(慶應義塾大学病院 KOMPAS)
「大げさ」と言う前に知ってほしい70万人のリアル
見た目ではわかりにくいこともある。
痛みに波がある。
ペットボトルを開ける動作すら関節への負荷になる。
「本当にそんなに辛いの?」と疑う前に、まずこの病気の構造を知ることが大切です。
ここまで読んでくださった方は、すでに理解の第一歩を踏み出しています。
身近な誰かが同じ病気を抱えていたとき、その知識がきっと役に立つはずです。
この動画では関節リウマチの日常生活で気をつけることが詳しく紹介されています。
まとめ
高市首相のNHK日曜討論欠席は、関節リウマチへの理解がいかに不足しているかを浮き彫りにした出来事でした。
欠席のタイミングや伝え方に課題があったことは否めません。
しかし「握手で悪化するなんて大げさだ」という反応自体が、この疾患の「わかりにくさ」を証明しています。
関節リウマチについてさらに詳しく知りたい方は、以下の公的機関のサイトをご確認ください。
◆ 日本リウマチ財団 リウマチ情報センター
◆ 慶應義塾大学病院 KOMPAS 関節リウマチのリハビリテーション
気になる症状がある方は、早めにリウマチ専門医に相談されることをおすすめします。


理由は持病の関節リウマチが遊説中の握手で悪化したこと。
しかしSNSでは「握手で?大げさでは」「午後の演説はできるのになぜ」という声があふれました。
この反応こそが、関節リウマチへの理解不足を映し出しています。