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投票用紙は、実は「紙」ではありません。
あの独特の書き心地、折っても投票箱の中で勝手に開くあの不思議な用紙の正体は、ポリプロピレン樹脂を主原料とする合成紙「ユポ」です。
各選管によると、まず投票用紙はなめらかに書けて、破れにくく、折っても投票箱の中で開いて開票作業がしやすいように、紙とプラスチックフィルムの特長を併せ持った合成紙が使われている。
引用元: いざ投票、素朴なギモン 誰でも別人に成りすませる? ネットの誤情報…選管に聞いた(神戸新聞NEXT)
詳しい情報は以下をご覧ください。
投票用紙は「紙」じゃない!素材ユポの正体とは
ユポ=ポリプロピレン×炭酸カルシウムの合成紙
投票用「紙」という名前がついていますが、木材パルプは一切使われていません。
ユポの主原料は、合成樹脂の「ポリプロピレン」と、天然鉱物である石灰石由来の「炭酸カルシウム」です。
ユポ・コーポレーションの開発担当者によると、「投票用”紙”だが、実は紙ではない。分野でいうと合成紙に該当する。簡単にいうとフィルム、つまりプラスチックだ」とのことです。
紙のように白くて書きやすいのに、水に強くて破れにくいという、まさに紙とプラスチックフィルムの良いとこ取りをした素材なんですね。
普通の紙とは作り方が違う!
一般的な紙は、木材から採取した繊維「パルプ」を水に溶かし、シート状に伸ばして乾燥させて作ります。
一方、ユポはポリプロピレンに添加剤を混ぜて熱で溶かし、フィルム状に延伸して製造します。
ちなみに、ユポが白く見えるのはこのミクロボイドによる光の乱反射が理由です。
これはホッキョクグマの毛が白く見える原理と同じだそうで、素材マニアにはたまらない豆知識ではないでしょうか。
1986年から採用→2021年には全都道府県で導入済み
ユポが投票用紙として販売され始めたのは1986年のことです。
それ以降、徐々に全国の自治体が導入を進め、2021年の衆議院議員総選挙では全ての都道府県でユポの投票用紙が使われました。
合成紙メーカーのユポ・コーポレーション(東京・千代田)の技術が選挙を支えている。はっ水性が高く破れにくいため、投票用紙やポスターへの採用が広がった。
引用元: 投票用紙、実はプラスチック 選挙支えるユポ・コーポレーションの合成紙(日本経済新聞)
現在では投票用紙だけでなく、雨に強い選挙ポスターにもユポが使われています。
「ユポは破れない=選挙にも敗れない」という縁起を担いで採用する候補者もいるそうで、なかなか面白いですよね。
この動画では投票用紙の素材「ユポ」について詳しく解説しています。
なぜ投票用紙にユポなのか?選挙を変えた3つの性質
折っても勝手に開く→即日開票を実現させた立役者
ユポの最大の特徴ともいえるのが、折り曲げても自然に元に戻ろうとする復元力です。
投票のとき、多くの人は用紙を二つに折って投票箱に入れますよね。
従来の紙の投票用紙では、開票時にこの折られた用紙を一枚ずつ手作業で開く必要がありました。
つまり、選挙の夜にテレビで開票速報を楽しめるのは、ユポのおかげともいえるわけです。
この動画ではユポの「開く」仕組みと即日開票への貢献を詳しく取り上げています。
水濡れ・破れに圧倒的に強い耐久性
一般的な紙は水に弱く、濡れるとすぐにふやけてしまいます。
しかしユポはポリプロピレンが主原料のため、水に濡れてもまったくふやけません。
形状も変わらず、記載内容が読めなくなるリスクも極めて低いのが特徴です。
私たちの大切な1票を守るために、ここまで考えられた素材が使われているのは心強いですよね。
計数機(自動分類機)との相性が抜群
開票作業では、投票用紙に書かれた候補者名を自動で読み取り、分類する「計数機」が使用されています。
書きやすくて、勝手に開いて、機械で読み取りやすい。
ユポはまさに選挙のために生まれたような素材だと言っても過言ではありません。
ここまで読んで「ユポってすごい素材だな」と思った方は、ぜひ次の章で筆記具の話もチェックしてみてください。
投票用紙に使えるペンは?鉛筆が推奨される本当の理由
公職選挙法に筆記具の制限はない…でも鉛筆が最適なワケ
意外に思われるかもしれませんが、公職選挙法には「投票用紙に使う筆記具」についての規定がありません。
つまり法律上は、鉛筆でもボールペンでもマジックでも、何で書いても有効です。
では、なぜ投票所に鉛筆が置かれているのでしょうか。
「ペンで書くと、インクが乾く前に字がこすれたり、他の用紙に写ったりして疑問票などになってしまう可能性もある」と担当者。「逆に鉛筆の字を消しゴムで消そうとしても合成紙は黒くなり、きれいに消しづらい」。
引用元: いざ投票、素朴なギモン 誰でも別人に成りすませる? ネットの誤情報…選管に聞いた(神戸新聞NEXT)
「鉛筆だと消しゴムで消されるのでは?」という不安の声もありますが、ユポの表面は消しゴムで擦ると黒く汚れてしまい、きれいに消すことは困難です。
開票所には立会人もいて衆人環視の状態なので、書き換えは現実的に不可能だということも覚えておきたいポイントです。
この動画では投票用紙の書き心地や鉛筆との相性について解説しています。
油性ボールペンOKの自治体もある(神戸市選管の事例)
実は、自治体によって投票所に置かれている筆記具が異なります。
多くの自治体では鉛筆を採用していますが、神戸市選管では油性ボールペンを使用しています。
自分のペンを持ち込むこと自体は問題ありませんが、その場合は必ず油性のものを選びましょう。
水性インクはユポの表面で弾かれてしまい、まともに書けない可能性があります。
【無効票リスク】フリクションと水性ペンは絶対NG!
| 筆記具 | 使えるか | 備考 |
|---|---|---|
| 鉛筆・シャーペン | ◎ 最推奨 | 投票所に備え付けあり |
| 油性ボールペン | ○ 使用可 | にじみ・色移りに注意 |
| 油性マジック | △ 非推奨 | 裏写り・にじみのリスク大 |
| 水性ボールペン | ✕ 危険 | インクが弾かれて書けない |
| 水性マジック | ✕ 危険 | 指で擦るだけで消える |
| フリクション | ✕ 絶対NG | 熱で文字が消える |
せっかくの1票を無効にしないためにも、投票所に用意されている筆記具を使うのが一番安心です。
どうしても自分のペンを使いたいなら、油性ボールペンを選んで、書いた後はしっかり乾かしてから折るようにしましょう。
まとめ
投票用紙は紙ではなく、ポリプロピレン樹脂製の合成紙「ユポ」で作られています。
折っても勝手に開く復元力、水や破れに強い耐久性、計数機との高い相性。
これらの性質が、私たちの1票を確実に届けるための仕組みを支えています。


元BOØWYのドラマー・高橋まこと氏のXポストが話題になっているように、多くの人が投票用紙の素材や筆記具について疑問を持っています。