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2025年12月22日、約70年ぶりにローマ字表記のルールが「ヘボン式」基本に変わります。
政府は16日の閣議で、ローマ字の表記方法について、現在広く使われている「ヘボン式」を基本とするルールに変える内閣告示を22日に出すと決めた。現行の表記法を定めた1954年の内閣告示は廃止され、ローマ字表記の国の決まりが約70年ぶりに変わる。
引用元: ローマ字表記「ヘボン式」基本に、22日告示へ 70年ぶりの改定(日本経済新聞)
詳しい情報は以下をご覧ください。
ヘボン式と訓令式の違いをわかりやすく解説
そもそもヘボン式ローマ字とは?明治時代からの歴史
ヘボン式ローマ字は、明治時代に来日したアメリカ人宣教師ジェームス・カーティス・ヘボンによって考案されました。
1867年に出版された和英辞書「和英語林集成」で使われたのが始まりです。
ちなみに「ヘボン」は英語で「Hepburn」と書きます。
この動画ではヘボン式と訓令式の違いを詳しく解説しています。
訓令式は「日本人向け」ヘボン式は「外国人にも読みやすい」
訓令式ローマ字は、1937年に日本政府が公式に制定した表記法です。
日本人にとって直感的でわかりやすく、ローマ字を学習しやすいことを目的に作られました。
一方、ヘボン式は英語話者にとって自然な発音になるよう工夫されています。
「し」を「shi」、「ち」を「chi」、「つ」を「tsu」と表記するため、外国人が見ても日本語に近い発音ができるんです。
代表的な違い一覧
訓令式とヘボン式の違いを表にまとめました。
| ひらがな | 訓令式 | ヘボン式 |
|---|---|---|
| し | si | shi |
| ち | ti | chi |
| つ | tu | tsu |
| ふ | hu | fu |
| じ | zi | ji |
| しゃ | sya | sha |
| じゃ | zya | ja |
こうした違いを知っておくと、今回の改定の意味がよくわかります。
なぜ70年も2つが混在していたのか
1954年の内閣告示で訓令式が公式に
戦後の1954年、政府は内閣告示で訓令式を公式なローマ字表記と定めました。
学校教育でも訓令式が教えられるようになり、小学校では「し」は「si」と習いました。
現行の内閣告示は「し」を「si」と表す「訓令式」を用いると定めるが、現在は「shi」のヘボン式が浸透しており、文化審議会が8月、ヘボン式を基本とするなど新たな表記ルールを文部科学相に答申していた。
引用元: 「ローマ字表記をヘボン式に」内閣告示70年ぶり改定へ 文化審が答申(日本経済新聞)
ただし、この告示には「第2表」としてヘボン式の綴りも認められていました。
つまり、建前は訓令式だけど、ヘボン式も使ってOKという曖昧な状態が70年続いていたんです。
実社会ではヘボン式が浸透(パスポート・駅名・道路標識)
公式には訓令式が原則とされていましたが、実際の社会ではヘボン式がどんどん広まっていきました。
特にパスポートは、1927年から鉄道省がヘボン式を採用したことが大きなきっかけでした。
国際的な場面で使うものは、外国人にも読みやすいヘボン式のほうが都合がよかったというわけです。
この動画では70年ぶりの見直しについて詳しく解説しています。
学校教育と実生活の「ねじれ」
こうして生まれたのが、学校では訓令式、社会ではヘボン式という「ねじれ」現象です。
小学校で「し」は「si」と習ったのに、中学校の英語ではヘボン式を使う。
パスポートを作ろうとしたら、学校で習ったのと違う書き方を求められる。
今回の改定で、このねじれがようやく解消されることになります。
SNSでも「やっと統一されるんだ」「30年前に統一してほしかった」という声が上がっていて、多くの人がこの問題を感じていたことがわかりますね。
名前のローマ字表記はどうなる?
「さとう」さんの場合
長音(伸ばす音)を含む名前は、これまでも表記に悩む人が多かったですよね。
「さとう」さんの場合、いくつかの書き方があります。
今回の改定では、長音は基本的にマクロン(ā, ō等の上の横棒)を付けることになりました。
長音について基本的に母音にマクロン(長音記号)を付け、「kāsan」(母さん)と表すとした。符号を付けない場合は母音字を並べ、「kaasan」と書く。
引用元: ローマ字「ヘボン式」基本に 4月から答申案議論―文化審(時事ドットコム)
ただし、パスポートでは引き続きマクロンを使わない「Sato」も使用できます。
すでに「Sato」で登録している人が、急に変更を求められることはありませんのでご安心ください。
「おおの」さんと「おの」さんの場合
「大野(おおの)」さんと「小野(おの)」さん、どちらも「Ono」になってしまう問題がありました。
この問題への対策として、「OHNO」という表記も相談の上で使用可能とされています。
野球の大谷翔平選手が「Ohtani」と表記しているのも、この長音を「h」で表す方式ですね。
読売ジャイアンツの王貞治選手が「OH」と表記していたのが始まりという説もあり、スポーツ選手の間では定着している書き方です。
この動画では改訂ヘボン式ローマ字について詳しく解説しています。
人名・団体名は「当事者の意思を尊重」
気になるのは「今すぐ名前の表記を変えなきゃいけないの?」という点ですよね。
答申では、人名や団体名は「当事者の意思を尊重する」と明記されています。
また、国際的に定着している表記(Tokyoなど)についても、直ちに変更を求めないとされています。
新しくパスポートを作る人や、これからローマ字表記を決める人は、新ルールを参考にするとよいでしょう。
知らないと損する情報なので、名前の表記で迷っている人は公式サイトもチェックしておきましょう。
まとめ
2025年12月22日、約70年ぶりにローマ字表記が「ヘボン式」基本に改定されます。
学校で習った「si」「ti」「tu」が、ようやく社会の実態に合わせて「shi」「chi」「tsu」に統一されます。
30代以上の方は「そういえば学校でローマ字習ったとき、社会で見るのと違うなって思ってた」という記憶があるかもしれませんね。
今後、教科書も順次改訂される見通しなので、お子さんがいる方は「昔と違うんだな」と思うことがあるかもしれません。
ここまで読んだなら、外務省のヘボン式ローマ字綴方表もチェックしておくと、より理解が深まりますよ。


1954年の内閣告示以来、実に70年ぶりの大改定となります。