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中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたにもかかわらず、上海の空港では大阪行きの便に中国人観光客が長蛇の列を作っていたという衝撃の現場が明らかになりました。
台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁をめぐり、中国外務省が14日夜、中国国民に日本への渡航を避けるよう呼びかけた。日中間の人的交流の雰囲気が著しく悪化したため、中国人の身体と生命の安全に「重大なリスク」が生じたとしている。
引用元: 中国人訪日客「政治は関心ない」 渡航自粛呼びかけ、口を閉ざす人も(朝日新聞)
詳しい情報は以下をご覧ください。
中国政府の日本渡航自粛呼びかけも効果なし?上海空港は長蛇の列
11月15日朝の上海浦東空港・大阪便の様子
赤いパスポートを手にスーツケースを引く中国人たちが長蛇の列を作り、カジュアルな格好の観光客がほとんどで、家族連れや若いカップルからは笑い声も聞こえてきたといいます。
同日午前10時(日本時間同11時)、空港内の大阪行きのチェックインカウンターには、中国の赤いパスポートを片手にスーツケースを引く中国人たちの長蛇の列ができていた。カジュアルな格好が目立ち、ほとんどが観光客のようだ。家族連れや若いカップルからは笑い声も聞こえる。
引用元: 中国人訪日客「政治は関心ない」 渡航自粛呼びかけ、口を閉ざす人も(朝日新聞)
政府の通知が出されてからわずか数時間後の光景とは思えないほど、日本への旅行を楽しみにしている様子が伝わってきます。
中国のSNS「微博(ウェイボー)」では外務省の通知がアクセスランキング上位に入るなど大きな注目を集めていましたが、実際の観光客の行動は全く異なるものでした。
高市首相の台湾有事発言が発端
今回の渡航自粛呼びかけの発端となったのは、高市早苗首相が国会で「台湾有事は存立危機事態になり得る」と答弁したことです。
この答弁に対して中国側は強く反発し、11月13日には中国外務省の孫衛東次官が金杉憲治駐中国大使を呼び出して抗議しています。
歴代の日本政権が曖昧にしてきた台湾有事への対応について、高市首相が踏み込んだ見解を示したことで、日中関係は新たな緊張局面を迎えています。
(Bloombergより)
中国外務省「中国人の安全に重大リスク」と主張
中国外務省が出した通知では「日本の指導者が台湾に関して露骨に挑発的発言を行った」と主張しています。
中国外務省の注意喚起は14日夜。日本では今年になって治安が不安定になり、中国国民を狙った犯罪が多発しているなどとしたうえで、「日本の指導者が台湾に関して露骨に挑発的な発言を行い、日中間の人的交流の雰囲気を著しく悪化させるとともに、中国人の身体と生命の安全に重大なリスクをもたらしている」とした。
引用元: 中国人訪日客「政治は関心ない」 渡航自粛呼びかけ、口を閉ざす人も(朝日新聞)
この通知は中国国内メディアによって一斉に報道され、SNSでも大きな話題となりましたが、実際に旅行をキャンセルする動きは限定的なようです。
中国にとって訪日観光客は政治的なカードとして使える存在ですが、観光客自身の意思とは必ずしも一致していないことが今回の空港の様子から明らかになりました。
「政治は関心ない」中国人観光客の本音と複雑な心境
「旅行の計画は変更しない」と答える家族連れ
上海の空港で取材に応じた観光客たちからは「政治は関心ない」という声が相次ぎました。
子連れの30代夫婦は外務省の注意喚起を知っているものの、旅行の計画は変更しないと明言しています。
子連れの30代の夫婦は、外務省の注意喚起を知ってはいるが、旅行の計画は変更しないという。理由を尋ねると「政治は関心がない」と多くを語らなかった。
引用元: 中国人訪日客「政治は関心ない」 渡航自粛呼びかけ、口を閉ざす人も(朝日新聞)
実際、日本政府観光局の統計によると、2024年1月から9月までの中国からの訪日客数は約749万人に達しており、国別では最も多い数字を記録しています。
(時事通信より)
「口を閉ざす人」も…後ろめたさを感じる様子
一方で、取材に対して目線をそらし口を閉ざす観光客も多く見られました。
ほかの観光客たちも「ニュースは見ている」ものの、それ以上は目線をそらし、口を閉ざした。こうした情勢で日本へ渡航することに対して後ろめたさを感じているように見えた。
引用元: 中国人訪日客「政治は関心ない」 渡航自粛呼びかけ、口を閉ざす人も(朝日新聞)
この反応からは、政府の通知を知りながらも日本旅行を続ける中国人観光客の複雑な心境が読み取れます。
中国のSNS上では「日本は台湾を利用して中国を弱体化させようとしている」といった政府寄りの投稿が相次いでいますが、実際に日本へ向かう観光客の本音は異なる部分もあるようです。
20代女性「政治の話は私とは関係ない」の意味
大学を卒業したばかりという20代の女性は取材に堂々と応じ「政治の話は私とは関係ない」と明言しました。
そんな中、大学を卒業したばかりという20代の女性が取材に応じた。報道は知っているが「政治の話は私とは関係ない」と話す。これまで欧州など多くの国へ観光したが差別やトラブルに遭ったことはなく、特に日本の治安には安心感があるという。「仮にチケットがキャンセルできても、予定を変更するつもりはない」と話した。
引用元: 中国人訪日客「政治は関心ない」 渡航自粛呼びかけ、口を閉ざす人も(朝日新聞)
この女性の発言からは、若い世代の中国人が持つ価値観が垣間見えます。
「チケットがキャンセルできても予定を変更するつもりはない」という強い意志は、日本旅行への期待の大きさを物語っています。
なぜ中国人は日本旅行を続けるのか?本当の理由
日本の治安への安心感「差別やトラブルに遭ったことない」
中国人観光客が日本旅行を続ける最大の理由は、日本の治安に対する絶対的な信頼感です。
先ほどの20代女性のように、欧州など他の国への旅行経験がある中国人ほど、日本の治安の良さを実感しています。
実際に、中国人観光客の多くが日本での滞在中に「差別やトラブルに遭ったことはない」と感じており、この実体験が次回の訪日にもつながっています。
時差が少なく飛行機に乗っている時間も短い、街の案内が漢字表記なので大体分かる、フードストレスが少ないといった実用的な理由も重要です。
(インバウンドONEより)
政治と旅行は別という価値観の背景
「政治は関心ない」「政治の話は私とは関係ない」という中国人観光客の発言には、政治と個人の生活を切り離す価値観が表れています。
日本旅行は多くの中国人にとって「心を洗う旅(洗心遊)」であり、日常から離れてリフレッシュする貴重な機会です。
政府の通知があったとしても、長期間準備してきた旅行を簡単にキャンセルすることは経済的にも心理的にも大きな負担になります。
こういった実利的な理由も、政治的緊張を超えて日本旅行を続ける背景にあります。
中国人観光客698万人・1.7兆円の経済効果(2024年)
2024年の中国からの訪日客数は約698万人に達し、消費額は1兆7265億円という巨額の経済効果を生んでいます。
■中国人訪日客の動向 人数 消費額 2019年 959万人 1兆7704億円 2020年 106万人 2536億円 2021年 4万人 - 2022年 18万人 1092億円 2023年 242万人 7604億円 2024年 698万人 1兆7265億円 2025年 748万人 1兆6443億円 (日本政府観光局、観光庁のデータから。2021年の消費額はデータなし。2025年は1~9月)
引用元: 中国人訪日客「政治は関心ない」 渡航自粛呼びかけ、口を閉ざす人も(朝日新聞)
コロナ禍前の2019年には959万人・1兆7704億円という過去最高を記録しており、2024年はその約7割まで回復しています。
訪日外国人全体の約4分の1を占める中国人観光客が本当に来なくなれば、日本の観光業界は深刻な打撃を受けることになります。
今回の渡航自粛呼びかけが実際にどの程度の影響を与えるのか、今後の動向が注目されます。
まとめ
中国政府の日本渡航自粛呼びかけにもかかわらず、上海の空港では多くの中国人観光客が日本への旅行を続けています。

